週末のバンドマン

楽曲の考察から奏法解説、使用機材やらを記録していきます。主にギター。アニソン系メタル系多め。

Sanctuary (Roselia) ギター弾いてみた

f:id:progre-bandman:20200508213548p:plain

※公式より引用

bang-dream.bushimo.jp

はじめに

BanG Dream!プロジェクトにおいてRoseliaというバンドは、ハードで叙情的な楽曲が多いイメージですが、稀にテンポを抑えた、まるでハードロックバンドが奏でるパワーバラードのような楽曲もあります。

オフィシャルバンドスコアVol,1では「軌跡」という楽曲がその代表例と言えます。


軌跡 (Roselia) fullでギター弾いてみた【BanG Dream!】

筆者個人的にはこの手の楽曲が大変好きで、今回取り上げるSanctuaryと、この記事の後に起稿予定の「Safe and Sound」と並び、オフィシャルバンドスコアVol,2におけるツートップでもあります。

 

奏法解説ポイントはいつもより少なめですが、一部オタク的な考察も含めて記事にさせて頂きました(^^) 

 

 

楽曲の(オタク的)考察

Roseliaにしては珍しい(推定)BPM91というスローバラード。

多くの楽曲がBPM180程度の激しい楽曲のような勢いで進む楽曲とは違い、もう一つの側面である叙情的なメロディや展開を駆使して楽曲を盛り上げる必要があります。

技術的なところは後述しますが、とかくこの手の叙情的な部分を表現するには楽曲への理解も重要です。

ここではまず、その部分から筆者progreなりの解釈を述べたいと思います。

※技術的な奏法ポイントは上の目次から飛んで下さい

 

ガルパのイベント

BanG Dream!プロジェクトはメディアミックスのコンテンツ形態を採っていますから、楽曲だけではなく、アニメやゲーム、リアルライヴ等、多方面に展開しています。

スマホゲーム「バンドリ!ガールズバンドパーティ!」もその一つ。

この楽曲の内容を理解する手助けとなるイベント(夏にゆらめく水の国)もゲーム内で用意されていますので、特に歌詞の内容も含めた理解を深めたい場合はこのイベントストーリーを一読されることをオススメします(^^)

 

Neo-Aspectからの変化

ゲームのイベントの話で語るならば、Neo-Aspectが実装されたイベントからRoseliaのバンドストーリーは第二章という扱いになっています。

ある1面から簡単にまとめるなら、第一章はRoseliaメンバー各々の「」が焦点であるのに対し、第二章は「バンド」に焦点が移っています。

 

Neo-Aspectでその時のメンバー個々の覚悟が一度整理され、Roseliaというバンドとしてまた新たなステージに進んだと捉えることが出来ます。

上述のイベント「夏にゆらめく水の国」でもこの時の出来事について言及があり、この出来事が実にバンドにとって大きなことであったかが推察されます。

 

アニメBanG Dream! 2nd Season

ゲーム面の次はアニメ方面から覗いてみましょう。

この楽曲はアニメ二期のOPでもあった「BRAVE JEWEL」のカップリング曲として収録されています。

 

アニメの尺や話数による都合もあったのでしょうが、Roseliaのバンドとしての側面はあまり多く描かれていません。

しかしながら、このアニメ二期で主役バンドであるPoppin' Partyのメンバーが経験するバンドの難しさ、それを乗り越える厳しさ、それを超えた強さを、上述したゲームイベント内で既に乗り越えた先輩バンドとして描かれています。

 

アニメ側からの考察は後日、別楽曲であるSafe and Soundで詳しく述べたいと思いますのでここではこの程度に抑えておきたいと思います^^;

 

リアルバンド

最後に、担当声優さん達が実際に活動されるリアルバンドとしての側面からの考察を。

ゲームガルパ内で上述のNeo-Aspectが始まった2018年、2名の担当声優の交代という現実がRoseliaというバンドに起こりました。

これは(特に当時は)大変神経質な話題でもあり、あまり深くは触れないようにしたいとは思いますが、結果としてRoseliaは2次元としても3次元としても、より大きな壁を超えてきたバンドとしての説得力が備わったと感じられているファンも多いと思います。

 

考察を基に今一度歌詞を詠む

Roseliaというバンドを多方面から考察すると、解釈は人それぞれでしょうが、各々なりの見え方でまた歌詞が見えてくると思います。

 

Sanctuary

Sanctuaryとは聖域。

現代的には保護区や避難所を意味するところもあり、歴史的には教会等、世俗権力から逃れる場所も意図します。

※日本にも「駆け込み寺」という言葉がありますね

 

ゲームイベントから察するにこの楽曲を作詞・作曲した(設定とされる)のはVoの湊友希那と捉えて間違いないとは思いますが、彼女にとってRoseliaというバンドが還る場所となったことを自己認識し、メンバーへの感謝と過去の反省、これから前を向いて進んでいく覚悟がしっかりと描かれているのだと筆者progreは解釈しました。

※現実の作詞はお馴染みの織田あすかさんですね(^^)

 

Prism

余談ではありますが、サビに出てくる「夢のPrism」という歌詞。

Prismとは三角柱のような多面体を意味しますが、バンドという抽象的な概念をRoseliaとしてイメージ化したものが、その後の発売されるCDジャケットに具現化されているのも大変興味深いと思います(^^)

 

奏法のポイント

  1. イントロ等のクリーントーン
  2. イントロ後半のタッピング
  3. 間奏のタッピングとの僅差
  4. 希望的な意見

※チューニングはドロップDです


Sanctuary (Roselia) fullでギター弾いてみた【BanG Dream!】

 

イントロ等のクリーントーン (0:00〜 / 0:33〜 / 2:02〜)

クリーントーンアルペジオセクション。

ギター2本分に分かれているので一人で弾こうと思うと困難ですが、ツインギター編成であれば動画のように上と下とで簡単に分けることが出来ます。

 

個人的にここで一番迷ったのは音作りです。

原曲がどのように音作りしているかを情報として知らない為、耳で聴いた音と、自分の経験則でこの楽曲に当てはまりそうな音色を探る必要がありました。

 

結果として筆者progreが選んだのはフェイザーというエフェクター

正直、原曲では使っていない可能性が高いのですが、イントロでシンセの音と重なるSanctuary感(伝われ^^;)を出したいが為に、このエフェクトを選択しました。

フェイザー独特のうねり、楽曲ジャケットの海底洞窟っぽくありません?

 

他に候補としたのは深めのリヴァーヴや、コーラス、二重にコーラスを掛けた俗に言うクリスタルクリーン、はたまた薄めのフランジャー等を検討した次第です。

 

イントロ後半のタッピング (0:11〜)

こちらは奏法解説動画を用意しました。


【奏法解説】イントロ@Sanctuary(Roselia)【BanG Dream!】

低速タッピング

タッピングのイメージって、筆者progreの中では速弾きに使うイメージなのですが、ここではBPM91の16分音符。

感じ方は人それぞれでしょうが、一般的には速弾きとは言わないと思われます。

 

ですが、現実にはこちらの方が難しいです。

…というか、(筆者自身の経験も含め)タッピングを速弾きから覚えたギタリストにありがちなのが、タップ時ばかりに集中してしまって、タップした指を離すタイミングが疎かになってしまうこと。

タッピングというと特殊な奏法のように聞こえますが、要はハンマリング・オンとプリング・オフの連続です。

これをしっかり意識して行うのが、このセクションの第一段階です。

 

筆者progreの世代ですと、タッピング奏法の師範はこの方一択と言っても過言ではありませんでした。


[LIVE] SIAM SHADE -setunasayorimotookue

SIAM SHADEのギタリストDAITA氏。

タッピングをギターソロで目立つ速弾きとして使うのではなく、(使うこともあるが)この楽曲ではサビの裏メロにシンセ的な役割を狙ったタッピングフレーズを使っているのが印象的。

同世代のピロピロ系は皆やってました(笑)

 

途中のピッキング

フレーズの都合上、タッピングだけではフレーズ括りの頭の音が出せないという問題があります。

ではそこだけピッキングするということになりますが、直前までタッピングしている手を、いちいち通常のブリッジ付近に戻したりするのではノイズやピッキングミスの原因になることは想像に難くありません。

 

ここは奏法解説動画のように、指板上でピッキングしてしまいましょう。

注意点としては、(私もたまにやってしまっていますが)ピッキング時に他の弦に触れてしまうと、通常のピッキングよりミュートが難しく、目立つアタック音が鳴ってしまうことでしょうか^^;

 

途中の音飛び

基本的には両手で7f〜15f辺りでプレイしますが、一箇所だけ20fに飛ぶところがあります。

ここだけ視覚の外に外れているのでミストーンしやすいです(-_-;)

何度も練習して移動感覚を体に覚え込ませましょう。

 

間奏のタッピングとの僅差 (3:26〜)


Sanctuary (Roselia) fullでギター弾いてみた【BanG Dream!】

ちょっとマニアックですけど、オフィシャルバンドスコアにも表記されてますし、原曲を聴く限り違うフレーズと思われますので、こちらも別途奏法解説動画をご用意しました。


【奏法解説】間奏@Sanctuary(Roselia)【BanG Dream!】

要領は先のイントロ後半のパターンと同じです。

タッピングの基本を意識しつつ、途中のピッキングは指板上で行い、20fの音飛びに注意します。

フレーズとして違うのはその音飛び後の後半のフレーズです。

 

正直、リハやライヴでイントロ同様のフレーズを弾いてしまっても、気付くのはしっかりバンドスコア通りコピーしてよくギターに耳を凝らして聴いているギタリストさんだけだとは思いますが…^^;

フレーズを比較すると、よりこの先のCメロに落とし込みが自然となるようになっていると言えるのではないでしょうか。

 

希望的な意見

まだ筆者自身も試みたわけではないのですが、実際に現場のリハやライヴハウスツインギター編成のバンドでこの楽曲をコピーするなら、リードパートを行いながらシンセのピコピコ音(?)も併用するプレイスタイルを試したいですね。

この楽曲のキーボードパートを考えた時、どうしてもストリングスとピアノを優先せざるを得ない為、サビ裏やラストサビ入りの静かな部分の裏で流れるこのシンセ音は、どうしても手が足りなくなります。

※リアルライヴでもここは同期音源と思われます

 

サビのギターフレーズは2本とも差異なしで、厚みさえなんとかカヴァー出来れば実現可能ではないか…と。

機会があれば自分で試みたい実験ではあります。

※出来るとは言ってない(笑)

 

最後に

今回は楽曲の考察にも大きく文字数を割きましたが、如何だったでしょうか?

感情表現を感じられる艷やかなギターには、楽曲への理解も欠かせないと思ったので、今回はこのような試みをさせて頂きました。

 

技術面でも表面的には簡単ですが、やってみると実はこの手のスローバラードのような楽曲の方が、アップテンポの激しく勢いに任せて演奏出来る楽曲より雰囲気を出すのが難しかったりします。

両者どちらも視聴者の皆様の目に留まるようなギターが弾けるように、筆者自身も精進したいと思います(^^)

 

 

これ程の長文を読んで下さってありがとう御座います!

気に入って頂けましたらTwitterもフォローして下さい。

更新時にお知らせしております。(無言フォロー歓迎)

はてなブロガーの方はこちらから読者登録下さい(^^)

 

参考音源

参考バンドスコア