はじめに
時代は既に令和へと移りましたが、筆者が平成最後にどうしてもやっておきたいことがありました。
(かなり偏りはあるものの)自分のこれまで好きな音楽の「良い」と感じる要素をふんだんに盛り込んで楽曲をアレンジしてみようという試みです。
アニメBanG Dream!2期最終話にて
ちょうどそんな時にうってつけの楽曲と出会いました。
アニメ最終話で挿入歌として使われていた楽曲の1つ、RoseliaのFIRE BIRDです。
Poppin'PartyのReturnsと迷いましたが、自分のバックグラウンドを考えれば一択だろうとのことで、この楽曲に決定。
日本人にはメタラーの血が流れている?
最終話で流れてからネット上でも大変話題になっており、あきらかにメタルとか聴いたことなさそうな方々にも受け入れられていたようですね。
演奏動画もかなりの数が投稿されており、私も沢山視聴させて頂きました(^^)
もしかしたら…日本人にはメロスパー(メロディック・スピード・メタラー)の血が流れているのかもしれませんね(笑)
アレンジのアイディアが瞬時に湧いた
この楽曲を聴いた時、何より瞬時にアレンジのアイディアが出来てしまいました。
この感覚は同人誌や同人小説を書いたりする方々の感覚に近いのかな?
原曲に対する尊敬の念を持ちつつ、ここがこうだったら自分好みという要素がどんどん頭の中で作られていく感覚です。
今回の記事はいつもの奏法解説記事とは趣向が違いますが、私が影響を受けた音楽のバックグラウンドを紹介しつつ、アレンジした楽曲の解説をしたいと思います。
- はじめに
- 最後に
奏法・アレンジのポイント
- 前半の導入部分
- イントロ
- Bメロ
- サビ
前半の導入部分 (〜0:56)
ピアノ→アコースティックギター
原曲では美しいピアノ伴奏と、ボーカルのみで始まります。
コード進行や歌メロはAメロと同じですね。
テンポも落としており、これから壮大な楽曲が始まるのを予感させてくれる雰囲気です。
Wild Arms(なるけみちこ氏)風に
このピアノをアコースティックギターに。
メインボーカルのフレーズをオカリナ風の笛にしてみると、また違った哀愁感に変わります。
笛の音色は、Samplewizと言うiOSアプリのFifeという音色です。
筆者は昭和生まれ平成育ち。
ゲームミュージックにも多くの影響を受けています。
小学生の時に出会ったWild Armsと言う作品は、かなりやり込みました。
この作品の音楽を担当されていたのがなるけみちこ氏。
氏の世界観はゲームの世界を見事に表現されてます。
続編には後年、FIRE BIRDの作曲者である上松範康氏が担当されることになります。
更には、このWild Armsシリーズのデザインやシナリオを担当されている金子彰史氏と上松氏が組んだ作品として、シンフォギアシリーズは有名でしょう。
私にとってElements Garden(以下、エレガ)の上松氏とは、自分の好きな音楽を高次元で体現してくれる…最早、神なのです(笑)
4拍子→3拍子
ちょっとやり過ぎかなとも思いましたが、前半の導入部分は思い切って3拍子にアレンジしてみました。
上述したWild Arms風の哀愁感と言うか荒野感と言うか…を出すには、うってつけのアレンジになったかと思います。
Blackmore's Nightの影響
ロック系のバンドマンはご存知かわかりませんが…Blackmore's Nightの影響もあるのかもしれません。
かのRitcie BlackmoreがDeep PurpleやRainbowを経て、後年活動していたプロジェクトです。
Blackmore's Night - Under A Violet Moon (Official Live Video)
王道のRPGゲームには中世ヨーロッパ風の世界観な作品は多く、日本人でもこの手のフォークロック(?)とか、トラッドフォークみたいなサウンドが好きな方は多いのではないでしょうか?
前半→後半の繋ぎ部分 (0:56〜1:07)
【字幕あり】FIREBIRD (Roselia) メタルアレンジ【全部弾(叩)いてみた】
ハリウッド映画風?
こんな感じの重いストリングスを使った導入も、中世ヨーロッパ風の映画や、そっち系のメタルバンドの楽曲にはあるあるではないでしょうか(笑)
ストリングスの音色は先と同じく、SamplewizのMetropolis-Anastringsという音色です。
ボーカルエフェクターの活用
これまたロード・オブ・ザ・リングみたいな台詞が入ってますね(笑)
これは、ボーカルエフェクターを使って喋りました。
本来、アニソンバンドで女性ボーカルに合わせたコーラスをする為に導入した機材です。
これ、ニュースでよくみかける加工音声を簡単に表現することが出来ます。
後半 (1:08〜)
【字幕あり】FIREBIRD (Roselia) メタルアレンジ【全部弾(叩)いてみた】
イントロセクション
原曲とは少し変えていて、よりメロディックスピードメタル(以下、メロスピ)風になる様に、サビのコード進行とメロディを使っています。
Galneryus風の6本弦スウィープ
メタル好きならご存知の方も多いでしょうが、Galneryusという邦メタルバンドがおり、そのギタリストであるsyu氏がよく使う6本弦スウィープを入れてみました。
Syu (Galneryus) : demostration for Young Guitar (10)
見た目が派手でとても難しそうに見えますが、メジャーコードとマイナーコードの2パターンを覚えてしまうと、手癖の様に使うことが出来ますので、オススメです(^^)
ディミニッシュ風3本弦スウィープ
その後はすかさず3本弦スウィープ。
イングウェイなんかがよくやりそうな感じですよね(笑)
一般的なディミニッシュ3本弦にプラスもう下に1音加えたパターンですが、ディミニッシュよろしく1音半(3フレット)下の音階を加えています。
プログレメタル風リズム遊び
このスウィープのパターンのバッキングは…
付点8分→付点8分→8分
…を2回繰り返します。
故に、スウィープも16分音符で表記される音階になります。
その後に8分3連符を繋げています。
あまり私のリズム感が良くないのできっちり表現出来ていませんが、この手のリズム遊びは変拍子を多様するバンドではよくみられます。
変拍子ではないけど、まるで拍子が変化しているみたいですよね。
過去記事でも何度か言及していますが、学生時代Dream Theaterが凄く好きで、変拍子やリズム遊びを仕掛けてくる楽曲は今でも好みです(^^)
コーラスを聖歌隊風に
原曲では声優さん達がコーラスをしていますね。
Roseliaの楽曲は結構ハードなものが多く、この曲は特に初のガチメタルな雰囲気があります。
それでも、声優さん達のコーラスが良い意味で可愛かったりするので、メタルに馴染みの無い聴き手にも聴きやすくなっているのは間違いないでしょう。
さて、メタルの世界ではシンフォニックメタルというジャンルがありますが、これは大概、コーラスが聖歌隊風になっていることが多い。
筆者が社会人になってから好んで聞いている邦メタル(V系?)バンドに摩天楼オペラというバンドがありますが、この辺の影響もあるかもしれません。
ちょうどこの動画を撮った時期に、摩天楼オペラのライヴに行ったんですよねw
最高にカッコ良いので、良かったら聴いてみて下さい(^^)
今回、この楽曲の聖歌隊っぽいコーラスは、Korg社のModuleと言うiOSアプリにある、choir of lightと言うプリセット音色で3声ハーモニーを作りました。
正直、原曲にある「Burning up」や「La la la la la」のコーラスにこの音色を割り当ててみて、ここまでハマったのは予想外でした(笑)
Bメロ
イントロセクション以降は基本原曲通りの展開にしてあります。
所々にメタルっぽく聴こえるアレンジは加えてますが(笑)
Bメロのリズム隊のアレンジもその1つ。
ハーフタイムに2バスフレーズ
ドラムのアレンジ。
踏みっぱなしもメタルらしいですが、この手のハーフタイムでヘヴィに叩く合間に16分3連符のツーバスが入ると、メタルとかハードコア風になりますね(^^)
サビ前にベースでタッピング
原曲だと、コーラスで盛り上げるところですね。
これと同じ音を、ベースでタッピングしたら面白いと思いました。
※あまりうまく弾けなかったですけど(-_-;)
イメージとしてはDream TheaterのJohn Myung風なんですけどね^^;
Dream Theater - Panic Attack (Live Chaos in Motion) 2008 HD
この曲はタッピングではないのですが、イメージとしてはこの曲のイントロフレーズです(^^)
サビ
あまりひねったアレンジはしていません。
ただ、コード進行でベース音が経過音を奏でるポイントをこれでもかというくらい強調させました。
リズムからベース・ギターにコーラス(例の聖歌隊風の音色)まで使って表現したので、かなり狙い通りになったかと思います(^^)
あ、ちなみに、メタルの世界ではダサい・クサいは褒め言葉です(笑)
最後に
いかがだったでしょうか?
一から作り上げるオリジナル楽曲と言うのも自分の音楽的ルーツが出て面白いものですが、既にこの世に存在する楽曲を更に自分好みにアレンジするのもなかなか面白い。
…と言うか程度の差はあれ、普段楽曲をコピーするに当って知らず知らずのうちにやっていることなんですよね。
筆者の音楽人生の1つのテーマとして、自分の好きな楽曲の好きな要素を追求するというのがあります。
近年、段々とそれを分析・表現出来る様になってきました。
まだまだやれることはありますけど、今までの区切りとしてこの楽曲に出会えたことはとても感謝ですね。
CDの発売が楽しみです(^^)
これ程の長文を読んで下さってありがとう御座います!
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