はじめに
筆者progreが演奏動画投稿を始めたのが2018年始。
かなり以前にこちらのブログでも機材や著作権などの考え方を一度整理したことがありました。
この時点で約1年程度の経験をまとめています。
ここから更に1年程度、収録機材としてはほぼ同じ様な環境で作り続けておりましたが、2020年3月以降のコロナ禍を期に少しだけ制作環境を変えてきました。
この記事を書いているのは既に2023年末ではありますが、ここで一度環境をまとめた上で公開しておきたいと思います(^^)
(お断り) 演奏動画の著作権について
冒頭に紹介した過去記事で、著作権法は「親告罪」であるが故にあくまで「著作権者」が訴えを起こさない限りは罪に問われない様なことを書いたと記憶しております。
平成30年の一部改正で著作権法の一部非親告罪化にも少し触れておりますが、海賊版の根絶という立法目的に照らし合わせれば、現状の演奏動画で個人が非営利目的で行う分には問題にはなりにくいだろうとも書いたと思います。
※原曲音源を使う場合はまた異なる著作権が絡んでくる点にも言及しておりますし、多くのサイトでも解説されております。
筆者の知り得る限りでは現状大きく環境が変わっているという認識はありませんが、引き続き法体系について筆者は専門家では御座いませんので、一切の責任は負いかねます。あくまで自己責任での作成・運用をお願い致します。
録音環境をiPadからPCに以降
以前から動画編集に関しては4K動画がメインということもあり、動画編集はMACで行っておりましたが、録音やMixはiPadで行っていました。
元々Kemperで音作りしていたということもあり、DAWを使ったMIXの知識があるわけでもないので、総じて出音に不満があるわけではありませんでした。
Live配信への興味
きっかけはこれです。
2020年3月以降世界中を一変させたコロナ禍で、筆者自身も突然在宅勤務という名の交代で自宅待機みたいな状況が数ヶ月続きました。
それまで数年続けていたコピーバンド達もライヴが決まっていたバンド、そうでないバンド、一斉に活動が止まりました。様子を見ざるを得ませんでした。
残念ながらそれ以降、活動再開したバンドは片手で数えるくらいしかなく、これを期(?)にバンド活動や音楽活動から離れてしまった人も多かったのではないかと感じます。
これは我々アマチュアだけでなく、プロのバンドやアーティスト、ライヴハウスやリハーサルスタジオなど、実に多くの音楽界隈で起こった出来事でした。
賛否両論あるでしょうが、決してネガティブな出来事ばかりでもなかったと筆者は感じています。その一つがLive配信でしょう。
個人での配信もそうですし、プロ・アマ問わずライヴやコンサートといった「発表の場」に自分が直接移動して出向かなくても、自宅や出先のインターネット環境で觀られるというのは大きな変化だと思います。
勿論、特に音楽の世界では現地での音圧体感というのは何者にも代えがたいものがありますし、目的のバンドや演奏者を直に見るというのは意味があることは理解しています。
一方で、バンドマンあるあるですが、余程のライヴハウス通いでもない限り、知り合いのライヴに全て顔を出すのは難しく、毎回観に行けてあげられない上に自分のライヴには来てくれというのはなかなかおこがましいものです。
その点、ライヴ配信というのは見に行くのも観てもらうのもハードルは低く、SNSを駆使すれば違う地方のまだ会ったこともない知り合いでも参加が可能です。
YouTubeLive
少し話が逸れました。
コロナ禍で時間が出来た筆者はバンド活動が止まり、空いた時間で演奏動画やブログ活動を増やそうとしたのは勿論のことですが、更にLive配信に挑戦したいと考えておりました。
主に演奏動画を投稿していたYouTubeでもLive配信が出来たので、これを活用したいというのは自然の流れでした。
ところが、当時チャンネル登録者数が数百人程度であった筆者には「モバイル環境での配信はチャンネル登録者1000人以上(※)」という制限の中にありました。
※現在は登録者50人以上と条件が緩和されております。これもコロナ禍の影響でLive配信がメジャーになってきた影響でしょう(^^)
オーディオインターフェースを刷新
当時、モバイル環境で配信が出来ないことがわかったので、PCで配信環境を作ろうと、まずはKemperから音を入力出来る様にオーディオインターフェースを購入しました。
実はギターの音を入力するだけであればこれまでの録音環境で使っていたiRig Proでも十分可能ではありましたが、配信で喋るマイクも同時に繋ぎたいとか、場合に寄ってはKemperをステレオ入力したいな等と考えた上での購入です。
実際、購入したインターフェースとIRig Proを併用することもよくありました。
Scarlett 2i2 Gen3 (Focusrite)
当時、エントリー用の安価なオーディオインターフェースを比較しました。
最も有名であろうStienberg UR22mkII(今はUR22Cでしょうか)やLine 6などなど、1万円〜2万円くらいの価格帯のインターフェースを調べまくって比較した記憶があります。
その中でもFocusrite社を選んだ理由は、
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見た目!(凄く大事!)
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比較対象の中で最も高音域の伸びが良かった
大まかに以上2点です。
この鮮やかな赤に弱いんですよね^^;
その後多くの演奏動画制作経験を経て、現在は別のインターフェースをメインで使ってはおりますが、この製品そのもののクオリティには満足しており、今はそこそこの値上げとクオリティupされた後継機が出ているということで、またFocusriteに戻ろうかとやんわり検討しているくらいです。
ループバック機能が…
そのくらいお気に入りのFocusrite製品ですが、買った直後の誤算もありました。
それはループバック機能です。
勿論、きちんと説明書きをよく読み、言葉の意味を理解しながら調べていればそんなことにはならなかったでしょう。短慮でした^^;
ループバック機能を誤解を恐れずに簡単に説明すると、PC側で曲を流した音がオーディオインターフェース側に戻ってくることです。
これがないと配信中に何かPCで曲を流したいとなっても、オーディオインターフェースだけでは対応出来ません。
ちなみに、比較対象に挙がったStienbergのUR22は出来たものと記憶しています。
しかしながら、あくまでインターフェースのみで配信をしようとする場合に対応出来ないだけなので、PC側でステレオミキサーを組んでやれば問題ありません。
Windowsではたしかデフォでステレオミキサー機能があったかと思いますが、MACの場合は別途ソフトを入れてルーティンを組んでやる必要がありました。
M1以降のMACではSoundflowerは使えなくなりましたので、記事にもある通り、今はBlack Holeというフリーソフトを使用しています。
使い勝手は全く一緒です。
更にLadiocastという仮想ミキサーを加えて自由なルーティングを可能に出来ます。
私は永らくこの仕組みを使って配信を行っています。
配信ソフトは安定のOBS
こちらは多くの方が使っているので説明不要でしょう。
これから配信を始めようという方がネットで調べたら間違いなく出てくる有名なフリーソフトです。
Apple iMac 27inch 2017
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27インチ5K Retinaディスプレイ
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intel i5 (gen 7) CPU
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8GB DDR4 メモリ (64GB迄増設可)
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2TB Fusion Drive
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redeon pro 580 (8GB) GPU
2018年末にPCも買い替え、4K動画でも難なく編集出来るスペックのメモリに換装してありましたので、配信でもPC側には何ら問題はありませんでした。
さて、配信を中心にインターフェースを刷新したわけですが、動画制作の為にPCの中も刷新しましたので、ご紹介します。
Final Cut Pro & Logic Pro
動画制作を始めた初期は如何に「お金を掛けてきた機材以外はローコストで制作する」
ということを意識して…というか気軽に始める為に、iPadのGaragebandとiMovieを駆使して動画制作をしていました。
簡単な演奏動画なら全く問題ありませんし、それこそ演奏内容を見せることが目的の筆者の演奏動画ですから、世の中の動画によくある派手な演出も一切不要なわけです。
一方で、テロップを入れたり2つ以上の動画を一気に組み合わせて編集したりしたいとなればiMovieでは難しく、Final Cut Proへ移行するのは時間の問題でした。
Mixに関してはそれ程多くのことが出来るわけではなかったものの、年に何度か演奏動画コラボを行う機会も出てきたりして、慣れないながらMIXを担当することも出てきていたので、少しずつでも本格的に出来たらと思ってLogic Proへ移行しました。
素材は過去の機材のままで、これらを移行したソフトでMIX・編集したReMix動画がこちら↓
コンプやEqの使える幅が広がったので、ギターのみを使ったインストアレンジにも挑戦してみました。
十数本のギターを左右だけではなく奥行きも意識した配置にするにはGaragebandだとアマチュアには難しいですが、Logic Proで使えるプラグインでもここまで出来ました。
動画編集も、歌詞を入れたり簡単なエフェクトを使うにはFinal Cut Proは十分な仕事をしてくれています。
一時期4K動画をやめていた
スマホで録音していたのは変わらないのですが、実は途中から4K動画で撮るのを止め、Full HDに落としていました。
フレームレートの重要性
単に画質を落としたかったわけではなく、当時のスマホでは4K動画のフレームレートは30が限界だった為です。
フレームレートとは、簡単に言うと動画が1秒間に何枚の画像で構成されているかという数値です。
勿論、一般に4K 30fpsというのはかなりの高画質ではあるのですが、筆者が演奏動画で多く扱うアニソンやメタルといった動きの速い動画を、演出というより演奏の詳細を見せる為に撮影する場合、30fpsだとほんの少し詳細がボヤける印象があった為です。
個人的な印象として、4K 30fpsよりFull Hd 60fpsの方が鮮明に動きが見える気がします。
後にGo Proを導入して4K 60fpsを実現するまで、スマホではFull HD 60fpsで撮影しています。
まとめ
簡単に制作環境をまとめます。
【音声】
【映像】
最後に
この記事を書いている2023年末時点ではまた機材は変わっているものの、今回書いた2020年の変更はかなり大きなものでした。
コロナ禍では実に多くのことが変わりましたが、筆者としては出来るだけプラスに変えたかったので、当時色々と頭を回して考えていた気がします。
筆者は普段、音楽とは全く縁のない職種で働いておりますが、この動画制作や配信の知識が巡り巡って職場で重宝されたり、何より新たなことに挑戦しようと色々と考えて試行錯誤する癖は仕事でも役に立つものです。
私自身の制作環境はアマチュアギタリストとして決して特別なものではないと思いますが、これからライヴ配信や演奏動画制作を始めようとしているギタリストさんの参考になったら嬉しいです。
新たな段階に入っているものについてはいずれまたこのような形でまとめて公開出来たらと思います(^^)