はじめに
去年(2019年)に続き、バンドスコア丸々一冊演奏動画&奏法解説記事にしようという自主企画の第二弾。
終に最後に収録されている楽曲となりました。
前回記事にしたFIRE BIRDはRoselia初のヘヴィメタルとも言える、ある意味では異色な作品だったわけですが、今回取り上げるこのRinging Bloomは、正にこれまでのRoseliaの集大成とも言える楽曲になります。
Roseliaの楽曲をオフィシャルバンドスコアに沿ってVol.1から奏法解説記事に起こしてきた当ブログとしては重複する箇所も多くありますが、過去記事を適宜振り返りながら、復習も兼ねて奏法解説記事にしました(^^)
王道のRoselia楽曲
前回の記事で、FIRE BIRDの作詞作曲がElements Garden(以下、エレガ)の上松氏であることに言及しました。
こちらでも軽く触れましたが、Roselia楽曲では作詞では同エレガの織田あすかさん、作曲では同エレガの藤永氏が最多であると思われます。
LOUDER、Re;birth day、陽だまりロードナイト、Determination Symphony…
初期の楽曲だけでも半分以上をこの組み合わせが占めています。
そんな王道の織田・藤永ペア(略称失敬)のRoselia楽曲。
使う奏法や楽曲のポイントも冒頭で申し上げた通り、今までのRoseliaの集大成と言えるわけです。
ガルパのイベント楽曲
この楽曲はアニメではなく、ゲーム「バンドリ!ガールズバンドパーティー!」のイベントで初披露された楽曲です。
白金燐子のイベント
RoseliaのKey担当、白金燐子のイベントでした。
彼女の愛称でもある「りんりん」から、この楽曲をりんりんBloomなんて呼ぶファンもいらっしゃるようです。
内向的で、人前に出たり話したりするのが苦手とされる彼女が、Roseliaというバンドをきっかけに過去の自分との繋がりも含めて一回り大きく成長するストーリー。
楽曲の歌詞や曲の盛り上がりへの理解も一際大きくなりますので、ゲーム内のこちらのイベントストーリーをプレイしてからの楽曲の仕込みをオススメします(^^)
奏法ポイント
※チューニングはドロップD(6弦のみ1音下げ)です
Ringing Bloom (Roselia) fullでギター弾いてみた【BanG Dream!】
1番のAメロとBメロ (0:38〜)
LOUDER、Determination Symphony、PASSIONATE ANTHEM辺りを彷彿とさせる、BPM195のブリッジミュート&ダウンピッキングを駆使したリフがメインになります。
※過去のRoselia楽曲でブリッジミュート&ダウンピッキングに触れた記事
早速ですが、別の奏法解説動画を用意しました。
【奏法解説】1番リフ@Ringing Bloom(Roselia)【BanG Dream!】
Aメロの刻みは合間に大きくポジションが移動する
動画を観て頂くとわかる通り、前半の刻みのリフでは横(フレット移動)にも縦(弦移動)にも大きく移動があります。
ポジションの把握が通常より難しい為、しっかりテンポを落として反復練習した後、徐々に原曲のテンポに戻していきましょう。
1番Bメロの単音混じりのリフ
1番のBメロの前半。
刻みの合間に単音を伸ばすフレーズが混じっています。
ここの単音の伸ばし方は、ギタリストの熟練度の差が出易いところです。
筆者progreもまだまだですが、この合間にヴィヴラートをうまく掛けられると、一気に玄人感が出ます。
最後に1弦開放を使ったアルペジオ
後述するCメロにこれを発展したパターンが使われますが、直前までコードワークを多用するフォームに左手がなっている為、最後にチラッと出て来る1弦開放の音を間違ってミュートしてしまわないように気を付けましょう。
※この時はしっかり指を立てて押さえます
文章ではこの難しさが伝わりにくいのですが、実際に流して弾いてみると、この部分が弾きにくいのがわかるかと思います^^;
1番と異なる2番のBメロ (2:17〜)
Aメロはほぼ1番と同じ(スタートのグリッサンドの有無くらい)なのですが、Bメロは1番とは全く異なります。
こちらも別途、奏法解説動画をご用意しました。
【奏法解説】2番Bメロ@Ringing Bloom(Roselia)【BanG Dream!】
オクターヴ奏法で奏でるメロディに色を付ける
前半はオクターヴ奏法を使ったメロディを奏でるフレーズ。
ただ音をリズム通りになぞるのではなく、スライドを絡めたりして歌うようなフレーズを自分なりに研究してみると良いと思います。
後半の複雑なフレーズ
歌うような前半とは打って変わって、後半はブリッジミュートを絡めたアルペジオや、即座に次のサビに繋げなければならないキメフレーズがあります。
オクターヴ奏法中はコードワークのような大きいピッキングストロークになるかと思いますが、ここで一気にピッキングをコンパクトにします。
このアルペジオとキメの合間がまたオクターヴ奏法なのがニクいですが、うまく使い分けられるように練習しましょう。
※筆者もまだまだ練習中です(-_-;)
裏メロに被せるオクターヴ奏法 (1:08〜 / 2:32〜 / 3:57〜 / 4:26〜)
メインの演奏動画が離れてしまったので、再掲します。
Ringing Bloom (Roselia) fullでギター弾いてみた【BanG Dream!】
主にサビ裏やCメロのシンセに重なるようにオクターヴ奏法でメロディを重ねる手法は、最早Roselia楽曲の定番とも言えます。
省略したパート
実はここで省略したパートがあります。
演奏動画で弾いているオクターヴ奏法に似た別のメロディラインが、入っています。
単純にオクターヴ違いのフレーズもあれば、一定度数でもない、更には違う動き方をするメロディラインも入っていました。
基本的にもう1本ギタリストがいれば出来る範囲だとは思いますが、一般的にトリプルギター編成のバンドは稀であると思いますし、ツインギターでツインリード編成でも、こちらを優先するよりはバッキングコードを優先するのが自然かと思いましたので、今回は割愛させて頂きました。
オフィシャルバンドスコアの表記では、フレーズの連続性と自然さを合わせたような譜割りになっていたので、そちらをそのまま採用させてもらった次第です。
ギターソロ (3:40〜)
シングルA面であったFIRE BIRDとはまた違いますが、このシングルの両曲ほどギターソロらしいギターソロは、今までのRoselia楽曲にはなかったと筆者progreは記憶しています。
オクターヴ奏法でメロディラインを奏でるだけ(それはそれで違う難しさがあるのですが…)ではない、初心者向けとは言い辛いギターソロになっています。
【奏法解説】Gtソロ@Ringing Bloom(Roselia)【BanG Dream!】
3弦のブリッジミュートと2弦のピッキングハーモニクス
当ブログでも、ブリッジミュートやピッキングハーモニクス奏法には度々触れてきましたが、多くは4〜6弦のワウンド(ざらざら)弦を想定した楽曲だったかと思います。
これをプレーン(すべすべ)弦で行うと、少しだけ勝手が違うのを感じるギタリストさんもいらっしゃるでしょう。
筆者progreの個人的な対策としては、
- いつもより少しだけブリッジより
- いつもより少しだけ弱めに
ピッキングと(ブリッジミュートの)押さえつけを意識しています。
要は、弦が細く柔らかいので、それに合わせて力を弱めに、少しでも弦のテンション(張力)が高めの部分をピッキングしているということです。
複数の弦移動を伴うフレーズ
階段を上り下りするようなフレーズ…と表現すればわかりやすいでしょうか?
このギターソロ、ちょこちょここの手の階段フレーズな音移動が出てきますね。
3〜5弦であったり、1〜4弦だったりと色々ですが…
もし、弾いていてイマイチ原曲とニュアンスが違うかな…と思ったら、一つ試して頂きたいのが、フレーズのまとまりの中で一番(音が)低い弦の音を軽くブリッジミュートしてみるというものです。
演奏動画でも、奏法解説動画でも、一番(音が)低い弦の音全てではありませんが、何音符かはそこでブリッジミュート気味に弾いています。
実際にリハやライヴで再現するなら…
実はまた省略した箇所があります。
このギターソロ、前半(というか後半の半分くらいまで)ほぼ丸々オクターヴ下の音が入っています。
あまりツインリード編成でオクターヴでハモっても面白くないかなとも思うので(筆者の主観です)、オクターバーを使って弾いてしまいましょう。
Cメロのアルペジオ混じりのバッキングコード (3:55〜)
Ringing Bloom (Roselia) fullでギター弾いてみた【BanG Dream!】
あまりに地味な箇所で、奏法解説ポイントとするか迷ったのですが…
個人的に何度かミステイクしてしまった箇所でもあるので、挙げさせて頂きました^^;
【奏法解説】Cメロ@Ringing Bloom(Roselia)【BanG Dream!】
なんてことはないパワーコードバッキングなのですが、後半段々とコードチェンジが速くなる部分の最後の最後で1弦開放を交えたアルペジオが入ります。
1番のBメロで軽く言及したフレーズに似ていますね。
コードチェンジも絡めて、もう少し発展させた形…と言えるでしょうか。
このアルペジオ混じりの直前に押さえるコードの形が、それまでのパワーコードとは異なることで、余計に弾きにくいフレーズに感じました。
注意点としては1番Bメロ同様に、1弦開放の音がしっかり出せるように指を立てること。
当たり前のことなのですが、やはり直前のコードワークのフォームを考えると、筆者個人的には難しく感じました^^;
最後に
FIRE BIRDの記事でも言及しましたが、このシングル両曲は初期のRoselia楽曲と比べると、求められる技術は雲泥の差であり、もう初心者レベルとは言えないでしょう。
使われる奏法技術云々が楽曲そのものの評価云々と比例するわけではありませんが、表現の幅に成約が生まれるのもまた事実です。
もし、バンドリをきっかけにギターを始めたギタリストさんがいらっしゃって、
※これを読んでいるあなたかもしれませんね!
初期のRoseliaから概ね時系列順に楽曲をコピーしていたとしたら、今はもう初心者レベルとは言えないくらいに成長されているのではないでしょうか?
※自分自身ではなかなか判断が難しいですけどね^^;
筆者progreは演奏動画や実際のバンド・セッションで他のコンテンツのアニソン楽曲を弾くこともありますが、バンドリコンテンツの楽曲…特にPoppin' PartyやRoseliaの楽曲は、多くのアニソンを弾きこなすのに必要なベーシックな技術が多く詰まっているように感じます。
バンドリコンテンツが将来のアニソンスタンダートとして末永く残ってくれれば、それをきっかけに楽器を始めたという方の多くを初級者から中級者にまで育ててくれる…それはとても素晴らしいことなのではないかと筆者progreは思うしだいであります(^^)
これ程の長文を読んで下さってありがとう御座います!
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