はじめに
今回取り上げるこの楽曲。
実はこの記事を書く1年前(2019年)にセッションバンドやライヴバンドで演奏する機会があったので、何度も弾いておりました。
あの時はweb上からtab譜を探したり、先人の方々の演奏動画を目コピしたり、自分の耳コピと組み合わせたりして仕込んだもので、特に演奏動画にはしておりませんでした。
その後のオフィシャルバンドスコアの発売と、今回のオフィシャルバンドスコア丸々一冊演奏動画&奏法解説記事にする自主企画に合わせまして、改めてバンドスコアとこの楽曲を聴きながら向き合うと共に、私なりに演奏動画&奏法解説をしていきたいと思います(^^)
奏法解説の前に
私の演奏動画をご覧下さっている方にはお馴染みの話になってしまいますが、
基本的に私の演奏動画と奏法解説はリハスタでのセッションやライヴでの演奏を想定しているものであり、ギター1本ないし2本で…つまり、一般的なロックバンドであるギターが一人ないし二人編成を想定した演奏にまとめています。
改めてこの楽曲をコピーし直したところ、
(一部、再現度を高める為とアレンジの為に3本目のギターも弾きましたが)
基本的にはこの楽曲もギター2本でそれっぽくなるようになっています。
この楽曲はギターソロが無い為、サイドギターだけ弾いたり、リードギターだけ弾いても、どちらでも(または組み合わせても)楽曲としてそれっぽくなるようになっているようです。
※間奏の単音フレーズは、シンセとユニゾンの為、ソロではないとします
更に
と上手く分かれている気がしないでもないので、
(何を持って初級者と中級者を分けるのかはともかくも)
今回はギターパート別での奏法解説を試みたいと思います。
サイドギターの奏法ポイント(初級者向け?)
※チューニングはドロップD(6弦のみ1音下げ)です
PASSIONATE ANTHEM (Roselia) fullでギター弾いてみた【BanG Dream!】
8分音符のブリッジミュートとダウンピッキング
何を以て8分音符とするのかとか細かい話はおいておいて、
オフィシャルバンドスコアの表記によれば、この楽曲BPMは195。
このテンポの8分音符のことです。
ここでは8分音符のブリッジミュート表記は全てダウンピッキングで行いましょうというのが解説の趣旨です。
ブリッジミュート
一般的なバンドスコアには、音符(又はtab)の脇に「M」とだけ表記されているアレですね。
ブリッジミュートの基本的な奏法は各所教則本やweb上の解説等をご覧頂ければと思いますが、この楽曲においてもう少しだけ応用部分を書きます。
※筆者の過去記事でも記載しました。
※LOUDERも同じBPM195です(笑)
BPM195の8分音符
ブリッジミュートは奏法としてはそれ程難しくないと思います。
問題は、この楽曲のテンポがとても速いということです。
普段より速いテンポの楽曲でブリッジミュートする場合、ピッキングをいつもよりブリッジ寄りにしてみましょう。
弦のテンション(張りの強さ)は弦の両端の方が強く、中心(12f付近)は弱いです。
筆者progreの演奏動画をよくよく観て頂くと、ブリッジミュート時はコードやオクターヴ奏法で弾いている時より少しだけブリッジ寄りの位置になっているのが分かるかと思います。
プレーン弦とワウンド弦
もう一つ気に掛けるべき点があります。
一般的なエレキギターには、
- 1〜3弦にはプレーン(すべすべ)弦が
- 4〜6弦にはワウンド(ざらざら)弦が
張ってあるかと思います。
筆者progre自身の経験からですが、最初頑張って速くピッキングしようとしている段階では必要以上に力みがちです。
これについてはLOUDERの記事を参考に、反復練習を重ねながら徐々に力を抜いていくピッキング手法を体得して頂きたいのですが、
その前に覚えて置いて欲しいのが、ワウンド弦のブリッジミュートと同じ感覚でプレーン弦でブリッジミュートしてしまうと、音がほとんど消えてしまうということです。
コツとしては、少しブリッジミュートする際の手刀部分で押さえる力を弱めたり、いつもよりブリッジ寄りの弦が硬い部分でミュートすると良いと思います。
オクターヴ奏法 (0:10 〜 / 1:24 〜 / 3:37 〜)
【奏法解説】イントロ@PASSIONATE ANTHEM(Roselia)【BanG Dream!】
こちらも、オクターヴ奏法の基本的なことは、方方の解説や当ブログの過去記事を参考にして頂きたく思います。
上の奏法解説動画にもテロップで記載しましたが、この楽曲で使うに当たって筆者が気を付けた点を記録しておきます。
オクターヴ奏法における2種類の手の形
※この項目だけレギュラーチューニングを前提に解説しています
一般的なオクターヴ奏法を弾く時、ギターのチューニングの関係で2種類のフォームパターンが出来るのは伝わりますでしょうか?
- 1弦&3弦と2弦&4弦の3フレット差のパターン
- 3弦&5弦と4弦&6弦の2フレット差のパターン
この楽曲のイントロやアウトロのサイドギターでは、音階の関係上この2種類のパターンをどちらも使うことになります。
ここでオクターヴ奏法の一般的な運指を確認しますと、
- 人差し指と薬指で押さえるパターン
- 人差し指と小指で押さえるパターン
基本的にどちらのフォームでも問題はありません。
それぞれの弾き方で、他弦のミュートに気を配れれば良いと思います。
問題はこの楽曲のテンポがとても速く、オクターヴ奏法を使ったメロディラインの動きも同様に速くなるということ。
筆者progreはこの速いメロディラインの動きに合わせて上述した2パターンの運指を使い分けることで、押弦ミスを回避するようにしています。
すなわち、
- 1弦&3弦と2弦&4弦(3フレット差)は、人差し指と小指
- 3弦&5弦と4弦&6弦(2フレット差)は、人差し指と薬指
というように、押さえるフレット差で使いわけています。
これによってほぼ無意識で弦移動をクリアするわけす。
重ねて申し上げますが、特に使い分けなどしなくても、統一したフォームの方が弾きやすいというギタリストさんもいらっしゃると思うので、それはそれで弾き易く、無理のないフォームを選んで下さい。
筆者自身も、2番のAメロ最後では前後の運指を優先して一部フォームを統一させています。
各サビ入りの違い (1:00 〜 / 2:04 〜 / 3:14 〜)
【奏法解説】サビ@PASSIONATE ANTHEM(Roselia)【BanG Dream!】
※こちらの奏法解説動画では、(0:01 〜 / 1:10 〜 / 1:40 〜)
次項の解説ポイントも含まれた奏法解説動画になりますが、このサビの入りの部分が毎回違うのは、この楽曲として最も重要なポイントとして押さえたいところです。
ギターというより、バンド全体できちんと認識を統一させる必要があります。
※ラストのサビ終わりからアウトロに繋ぐところで一瞬入るブレイクも押さえておきたいところですね(^^)
少々乱暴な意見ではありますが、原曲と違っていてもバンド全体で統一されたキメの違いを表現出来ていれば問題ない、とも言えます。
ラストサビ前のヴォリューム奏法
バンドリ楽曲では本当によく使いますね(笑)
過去記事でも、どの楽曲で書いたかわからないくらい多くの楽曲で解説記事を書いたと記憶しています。
手法としてはとても簡単(^^)
ギター本体のヴォリュームを0(ゼロ)にした状態からピッキングして、徐々にヴォリュームを戻していくだけです。
戻し方には多少コツが必要な上に、ギターに搭載されているヴォリュームポットや音色によって左右される部分が多分にあるので、楽曲のタイミングに合わせて何度か実際に練習してみる必要はあります。
リードギターの奏法ポイント(中級者向け?)
※チューニングは同様のドロップD(6弦のみ1音下げ)です
PASSIONATE ANTHEM (Roselia) fullでギター弾いてみた【BanG Dream!】
ここから先はギターを弾くに当たっての共通見解というよりは、筆者progreがこの楽曲を弾くに際して意識的に行った(当てはめた)奏法や楽曲解釈です。
曲を弾くので精一杯な初級者というより、ある程度どんな感じで弾こうか考えてから(考えながら)弾くような中級者以上のギタリストを対象に書いてみました。
ギタリストさん各々の考え方もあると思うので、一つの参考になれば幸いです(^^)
ピッキングアングルの使い分け
一般的にピッキング時のアングルは
- 順アングル
- 平行アングル
- 逆アングル
この三つに大別されます。
当ブログで度々言及してきましたが、筆者progreは
- 順アングルで単音フレーズを
- 平行アングルでブリッジミュートを
- 逆アングルでコードカッティングやオクターヴ奏法を
弾くことを原則として意識しています。
これは、自分の中で
- 順アングルでタメを
- 平行アングルで音の太さを
- 逆アングルでキレを
出しやすい奏法の代表として体得してきたからです。
世の中には同じアングルでも色んな表現が出来るギタリストさんは多々おりますが、もしギターの表現力で壁を感じているギタリストさんの中で、まだピッキングアングルの変化を意識されたことがないということであれば、筆者progre自身がそうであったように、試してみる価値は十二分にあると思います(^^)
刻みを開くタイミングで変わる印象 (0:40〜 / 1:32〜)
主に1番のAメロ部分ですが、広義のアレンジとなります。
コードバッキングの部分なので、実はサイドギターでも同じことをやってしまいましたが、内容的にこちらで解説したいと思います^^;
原曲ではおそらく、オフィシャルバンドスコアの通りにコードチェンジ時の最初の音だけ開いた(ブリッジミュートを掛けない)音になっているかと思います。
その他は全てブリッジミュートのダウンピッキングなわけですが、ここをドラムのアクセントに合わせて一部開くことによって、よりソリッド(メタル風?)な印象に変わります。
個人的には、こちらの方がこの楽曲のスピード感と、楽曲全体から感じられる熱量を表現出来ると思ったので選択しました。
時々16分音符の刻みを交える
こちらは2番のAメロで使った手法です。
リードギター部分をバッキングコードのルート音のオクターヴ上で単音引きしています。
1番と違って黙々とブリッジミュートで刻んでいますが、時々16分音符の刻みを混ぜることで、これもまたソリッド(メタル?)感を出せているのではないかと思います。
サビの裏メロ
【奏法解説】サビ@PASSIONATE ANTHEM(Roselia)【BanG Dream!】
バンドスコアが出る前にコピーした時はあまり印象になくて気付かなかったのですが、この辺の時代のRoselia楽曲辺りから、この手のやたらシンセとユニゾンするオクターヴ奏法を使った裏メロが多用されます^^;
後述の間奏にも通ずるので、奏法ポイントとさせて頂きました。
後半で一部メロディの速い動きに合わせるのが難しいくらいで、基本的にはオクターヴ奏法を使ったベーシックなフレーズになります。
間奏〜Cメロのシンセとのユニゾン
上述した通り、この辺りのRoselia楽曲から多用され始めた、オクターヴ奏法を使ったシンセとのユニゾン。
間奏にも使われていますが、間奏部分のフレーズパターンですと、オクターヴ奏法ではなかなか難しいので、オクターヴァーを使った単音弾きが妥当でしょう。
私の演奏動画では、間奏入りのアルペジオフレーズを弾く都合もあって、3本目のギターとして収録しましたが、実際の現場ではツインギター編成でも省いてしまうところかと思います。
※コードバッキングを無しにするのも寂しいので^^;
何故か間奏最後にギターが消える
途中までユニゾンするのに、最後の盛り上がるフレーズでは何故かギターが消えるんですよね…
速いフレーズだからでしょうかね?
- せっかくならユニゾンしちゃおう
- なんか途中からハモってない?
くらいのノリで弾いてみました(^^)
Cメロもユニゾン
このCメロは所謂「歌モノ」としては特殊な位置付けだと思っていて、歌が入っていても歌がメインというよりは、歌も一つのバッキング(例えばストリングスの裏メロ)のような印象を個人的には受けました。
普段であれば歌が始まったら楽器陣はバッキングや裏メロに徹するのが普通かと思いますが、ここではシンセパート同様にしっかり音を前に出すべく、ギターのユニゾンパートが継続されています。
…という解釈なので、間奏最後のハモりをCメロ前半まで継続させているの
はその為です(笑)
最後に
今回はギターを2パートに分けた解説という手法を試みてみましたが、如何だったでしょうか?
どうしても文字数は多くなりがちですが、かなり多くの内容を振り分けてお伝え出来たのではないかと感じております。
初級者でも中級者以上でも楽しめるバンドリ楽曲ですから、より多くのギタリストさんの参考になったら嬉しいです(^^)
これ程の長文を読んで下さってありがとう御座います!
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