はじめに
以前、Poppin'Party(以下、ポピパ)の二重の虹(ダブルレインボウ)の奏法解説記事を書きました。
そこで改めて他のポピパ楽曲や演奏映像等を見聞きし直しまして…
※Youtubeのバンドリチャンネルより、期間限定で視聴可能とのことです。
この楽曲の良さを再認識しましたので、演奏動画・解説記事にしました(^^)
奏法のポイント
- イントロ(間奏・アウトロ)のリード
- Aメロ:1番と2番のアレンジを比較する
- 間奏前半のクリーントーン
- ギターソロ
- 間奏明けのキメ
※チューニングはノーマルです。
イントロ(間奏・アウトロ)のリード(0:12〜、1:25〜、3:56〜)
この曲のイメージとも言える、とても印象的なリードフレーズですね。
この楽曲はどちらかと言えばミドルテンポになるかと思いますが、ちょっとした速弾き(?)みたいな感じに聴こえます。
花園たえ(以下、おたえ)役の大塚さんは、ここ数年で物凄くギターの腕を上げたのだと、弾きながら実感しました(^^;
リードフレーズのハモり
冒頭に貼った本人達のライヴ映像に寄れば…
- 香澄役の愛美さんはコードバッキングを、
- おたえ役の大塚さんはリードフレーズ(ハモり無し)を、
それぞれ弾いています。
一般的なツインギター編成でのコピーを想定した場合、コードバッキングを省略してツインリードで弾けば問題なくハモりフレーズをこなせるでしょう。
…ちょいメタルバンドみたいですが(笑)
では本人達同様、リードとサイドでパート分けした場合、リード一人でハモりを再現出来るのでしょうか?
※ここではいずれも同期音源は使わない前提で話を進めています。
ハモりに興味の無い方は次のセクションまで読み飛ばして下さい^^;
ハーモナイザーを使ってみる
ハーモナイザー…又はインテリジェント・ピッチシフター等と総称されるエフェクトを使うのが一般的でしょう。
あらかじめ楽曲のキー(調)と、それに対する度数(音階の差)を指定すると、自分の弾いた音に対してハモる優れものです(^^)
しかしながらそんな優れものでも、今回のパターンはそう単純ではありません(^^;
ハモりの度数がコロコロ変わる
ちょっと音楽理論じみた話になりますが、上述したハモる度数が一定であればハーモナイザーを掛けるだけで解決します。
…が、今回はフレーズの中でハモる度数が変わります。
これがとても厄介。
ちなみにこのフレーズ、前半が
- (ノーエフェクト)
- 3度下
- 6度下(3度上のオクターブ下)
- 5度下(4度上のオクターブ下)
- 3度下に戻る
後半は、
- (ノーエフェクト)
- 3度下
- 4度下(5度上のオクターブ下)
- 7度下
- 4度下に戻る
- 3度下
- オクターブ下
- 6度下
特に後半の3~7は8分音符毎に変化します。
…これはもうハーモナイザーでは対応出来ませんね(-_-;)
どうしても再現したいなら、ツインリードにするか同期音源を被せた方が良いでしょう。
無理矢理やるとこんな感じ
ちょっと見にくいですが、画面右下のMIDIコントローラーに…
PS1(1番左) : ノーエフェクト
PS2 : F♯ or D♯mの3度下(= -3rd)
PS3 : F♯ or D♯mの5度下(= -5th)
PS4 : F♯ or D♯mの6度下(= -6th)
PS5(1番右) : (音色割当なし)
上記の状態で各プリセットで違う度数のハーモナイザーを掛けたプリセットを割り当てます。
これを踏み変えながら演奏すると、上に貼った動画の様に演奏することは出来なくもないです。(とても弾けているとは言えませんが・・・)
つまり、プリセットの切り替えが出来ないハーモナイザーを1台だけ持っていても、この場合は残念ながら何の役にも立たないわけですね。
プリセット切り替えが出来るハーモナイザーや、マルチエフェクター等を使いこなすことになるかと思います。
しかしながら・・・(自分でやっといてなんだけど)ここまでやる必要があるのかは疑問です^^;
Aメロ:1番と2番の違い(0:26〜、1:39〜)
リンクから離れてしまったので、貼り直しますね。
1番と2番のアレンジ比較は定番ですが、それ故にきっちり抑えておきましょう。
1番は1・3拍目に強いアクセントを置くことで、オモテを強調。
2番は4拍裏を加えることによって少しばかり軽快感を出しています。
他にも細かい違いがあるので、出来れば全パートでリズム感を共有しておきたいところですね(^^)
間奏前半のクリーントーン(2:39〜)
音色について
俗にクリスタルクリーンなんて呼ばれたりもしますね。
作編曲者であるエレガ(この楽曲では岩橋氏)の世代が自分と近いなと感じる部分でもあります(^^)
ポイントはコーラスとディレイでしょうか。
私もそこまで上手に作れませんが、シングルコイルピックアップが使えるギターであれば、かなり近いニュアンスが出るのではないでしょうか。
上の演奏動画ではハーフトーンで音を作っていますが、一般的な2ハムのギターであれば、ハーフトーンよりコイルスプリットの方が近いニュアンスになるでしょう。
※Laceのalumitoneはちょっと特殊なので・・・^^;
Ibanez等、2ハムでも5wayセレクターになっているものや、リヤがハムバッカーになっているストラトタイプなんかにもコイルスプリットがついていたりしますね。
この辺の音源が参考になる(エレガの人達も多分好きだったのだろう)と思うので、貼っておきますね(^^)
「(レスポールタイプの)2ハムしかないよ!」という方にはこちらを紹介します。
山吹紗綾役の大橋彩香さんのボーカル
ちょっと記事の趣旨とは外れますが、個人的に大橋さんの歌がとても好きでして^^;
このセクションは彼女の独壇場ですからね。
ギターもクリーンコーラスで静かめな入りから、その後のギターソロに向けて歌に合わせて盛り上がっていくので、凄く好きなセクションでもあります(^^)
ギターソロ(3:03〜)
この楽曲に於けるギターの見せ場は前述のリードセクションと、このギターソロでしょう。
メインリードとの違い
先のリードセクションが速弾きチックなテクニカル感を出しているとすれば、こちらのギターソロはチョーキングやスライド等を絡めたエモーショナル感を重視していると言えます。
ギターインストに学ぶ
速弾きと違って、チョーキングやスライド等のニュアンスというのはなかなか効果的な練習というものがありません。
感情表現を演奏に込めるというのは、その込め方から気を付ける点等、解説していたらキリがないので、まずは自分の理想とするギタリストの演奏をよく観ることから始めましょう。
自分なりに好きな理由・ポイントを整理して、演奏に昇華させられるまでは時間がかかりますが、それがギターの醍醐味でもあります(^^)
最後に、私が参考にしてきたギタリストの一部を紹介しますね。
松本 孝弘 (B'z、他)
日本人ギタリストとしてあまりにも有名な松本氏。
間奏の速弾きも凄いのですが、この曲の要はノントレモロであるレスポールとは思えないメロディラインの感情表現の幅広さではないでしょうか?
春畑 道哉 (TUBE、他)
意外と知らない人も多い(?)春畑氏。
TUBEのギタリストと言えばご存知の方も多いのではないでしょうか。
※ギタリストとしてテクニカル系を自負するなら知らないハズはない、と断言しましょう(笑)
春畑氏は日本人では珍しく、フェンダーのシグネチャーモデルがある大変素晴らしいギタリストです。
正にTUBEの前田氏の歌がそのままギターになったかの様な(前田氏のボーカルも大変素晴らしいですが)、ちょっとやそっとでは真似出来ない生き生きとしたメロディの感情表現は今でも勉強になります。
間奏明けのキメ(3:18〜)
自分の時間でもあるギターソロをカッコ良くキメても気を抜かないで下さい。
この最後のサビ入りのキメは重要です。
最初は同じリズムで「キメ」を演出しますが、最後の方はサイドギターのコードアクセントと、リードギターのユニゾンチョーキングで掛け合って〆ます。
従って、出来ればリード・サイド共に、お互いのフレーズを理解しておいた方が良いでしょう。
最後に
いかがだったでしょうか?
ポピパの技量がかなり上がって来ているのを堪能出来る、とても良い楽曲だと思います。
また、ギターの課題曲としても速弾き的な面とニュアンス的な面の両方を求められる、とてもコピーのしがいがある楽曲ではないでしょうか。
これ程の長文を読んで下さってありがとう御座います!
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