はじめに
当ブログの読者様、私のYouTubeチャンネルを御覧下さった皆様には周知ですが、2018年後半から新たなギターとしてStrandbergのBoden Original 6 (blue)を導入しております。
※導入経緯については過去記事を御覧下さい
結論から申しますと、購入数ヶ月後にピックアップをSuhrからLace社に変更しました。
変更後に演奏動画収録から、実際にバンドのリハやライヴ等の現場でも数度使用しましたので、これらの経緯を記録に残したいと思います。
Strandbergの各種ラインナップを比較・検討されている方、Lace社のピックアップ導入を検討されている方々の参考になれば幸いです(^^)
※情報は全て2019年11月時点
Suhr SSVとSSH+
おことわり
最初にハッキリ申し上げると、デフォルトのSuhr社のピックアップが音質的に劣っているということは全くありません。
一般的にはむしろShur社のピックアップの方が直感的に 良い音を作りやすいかもしれませんね。
Suhr社のエレキギター
Strandbergを検討されているギタリストならご存知であろう、ハイエンドメーカーであるSuhr社。
特にスタジオミュージシャンに多く愛用される、世界中で非常に評価の高いギターメーカーです。
創業者であるSuhr氏の音作りに対する考え方は、その入口だけでも知っておいて損はないでしょう。
参考文献先にあるSuhr氏お気に入りの木材の組み合わせの1つでもある、スワンプアッシュボディに1ピースメイプルネック。
1ピースではありませんが、Boden Originalもこの仕様にかなり近いです。
※スワンプアッシュ(チェンバード)ボディにローステッドメイプルネック&指板
楽器屋さんで見掛けると、楽器から出ているオーラとその値札にある数字に驚愕しますが(笑)
「巧いギタリスト」を目指すなら一度は手にしてみたい、そんなブランドなのです。
Suhrの音色の特徴
※この項目は多分に主観的であり、ともすれば論争になりかねないので、こんな風に考えるヤツもいる程度に読んで下さい(^^;
Suhrと言うメーカーはエレキギター本体以外にも、アンプやエフェクター、そして今回取り上げたピックアップも取り扱うメーカーです。
(多少の亜種はありつつも)どの部門も一貫して狙っている音色的な特徴があると感じています。
- エレキギターを使用する、あらゆるジャンルに於ける汎用性
- バンドアンサンブルを前提とした、ギターの美味しい周波数帯の絞り混み
ざっくりとこの2点。
スタジオミュージシャン御用達と言うのも納得がいきますし、使用アーティストに職人気質なギタリストが多いのも頷けます。
もし、初めて聞いてSuhr社が気になった。
知ってるけど値段が高くて…
なんて方は、まず同社の歪みエフェクターを試奏してみると良いです。
オススメはEclipseと言う機種。
※筆者progreも所有しています(^^)
これ、良い音しか出ないんです(笑)
Suhr Eclipse - Dual Channel Overdrive/Distortion
こんな高価なエフェクターは手が出ない、と言うギタリストなら、ジャンルに合わせてこの辺を。
Riotシリーズはそこそこ歪ませるジャンルに。
Shibaシリーズはクランチメインのジャンルに。
その辺の価格帯だと多少犠牲にするポイントも出て来ますが、狙っている音色は月並みな言い方だとミドル重視ですね。
もしこの記事を読んでいるあなたが1万円以下の歪みエフェクターしか使ったことがないならば、Suhrの歪みエフェクターの音質に驚く(であろう)と思います(^^)
何が不満だった?
さて、これだけ誉めちぎっておきながら、何が不満だったのか?
※改めて、多分に主観的であることをお断りさせて頂きます。
そのミドルの分厚さ故にパワーコードのブリッジミュートが籠りがちだったのです。
おそらくはミドルの少し下の帯域(250~500Hzくらい?)辺りの膨らみが原因でしょう。
メタル畑で育った私、ドンシャリでなくとも、ミドルは少し上めの帯域(750~1kHz)が好みで、ミドルの少し下はフラットか若干カット気味な音を好みます。
※勿論、ミドル上めの帯域も良く出てきます。
一方で、リードフレーズの音は最高です。
フュージョンインスト辺りならドハマりな音色を出してくれます。
その抜けの良さから、歌ものにも合います。
【ラブライブ!】ユメノトビラ (μ's) fullでギター弾いてみた【カスタムキャスト】
リードパートやギターソロパートの音色が個人的にドンピシャだった演奏動画です(^^)
今回は総合的に交換対象になってしまったSSVとSSH+ですが、いずれ別のギターでまた試したいと思っていますし、このBoden Original 6の役割が変わったら元に戻すかもしれません。
Lace Almitone
さて、今回の本題。
Lace社のAlumitoneをご紹介します。
コイルレスピックアップ
まず特徴として挙げられるのは、ピックアップなのにコイルが無いということ。
※ここでは一般的な大きさの磁石に導線を巻いたコイルを指します
よく観ると、ピックアップが中空状態になっているのが観えますか?
そして上部の本来ならばボビンの部分にアルミが貼ってあります。
仕組みは企業秘密らしいので、何故音が鳴るのかは不明です^^;
本来ならばそれなりの大きさの磁石が入っている部分が存在しない為、一般的なピックアップよりも軽いと言うのが特徴です。
音色について
本来ならばボビンの部分にアルミが貼ってあると上述しました。
あなたはアルミのピックアップの音、と聴いてどんな音を想像しますか?
おそらく、イメージに近いと思います。
良く言えばクリア、悪く言えば無機質といったイメージです。
これは実際に使っている筆者progre自身も同意ですね。
クリアな帯域
クリアな音色とは?
本来、ギターとして美味しい帯域であるミドルに下手に寄せない音です。
より低音域から高音域まで幅広く出てきますので逆に言えば、アンプやエフェクターで強調させたい帯域、カットしたい帯域を自由に操作出来るとも言えます。
クリアな歪み
もう一つ、歪ませた際のノイズもクリアな傾向にあると感じます。
言ってしまえばノイズも歪みの一部ですので、多くのギタリストはいつものセッティングだと思ったより歪まないと感じるかもしれません。
でも、その分だけ歪ませる量を増やしたとしても、特に問題無いくらいノイズレスです(^^)
ダウンチューニングに寄る音色変化が少ない
これが個人的に意外でした。
一般的に半音下げや1音下げ〜それ以上に弦を緩めると、弦の緩まっている雰囲気がそのまま音に反映され、
- 低音が強調される
- 高音が落ちた感じがする
- 歪量が増えた気がする
等の単純に音階が下がる以外の効果があります。
一方、このAlumitoneはほぼこれらの影響が出ません。
勿論、手元の弦は緩まっていますから、弾き心地は緩めた分だけ緩まっています。
しかしながら、聴覚上の変化は音階以外にほとんど無いと言えます。
- ダウンチューニング時のハイ落ちが気になる
- ダウンチューニング時の低音の膨らみが気になる
と言うギタリストはアンプやエフェクターのセッティングも大事ですが、このピックアップを試してみる価値があるのではないでしょうか?
ダウンチューニング参考例
全弦1音下げ
※張っている弦のゲージは10〜46
ドロップC# (全弦半音下げ+6弦のみ1音半下げ)
※張っている弦のゲージは10〜46
A DECLARATION OF ××× (RAISE A SUILEN) fullでギター弾いてみた【BanG Dream!】
ドロップC (全弦1音下げ+6弦のみ2音下げ)
※張っている弦のゲージは10〜52
【ヴァンガードED】Takin' my Heart (RAISE A SUILEN) ギターfullで弾いてみた【BanG Dream!】
【ラブライブ!】LOVELESS WORLD (μ’s) fullでギター弾いてみた【カスタムキャスト】
Fishman Fluence Modern
さて、最後におまけとして似たピックアップで筆者が気になっているピックアップを簡単に紹介します。
こちらの最大の特徴は内部回路に寄る圧倒的な音色の多彩さでしょうか。
それ故か、駆動に電源を必要とします。
Alumitoneとの比較として面白い記事を見つけたので、ご紹介させて頂きますね。
【strandberg】Boden J-Series <伍:Lace 対 FISHMAN> | 宮地楽器神田店 ギター・エフェクター | 宮地楽器 神田店
個人的に気になっている理由は2つ。
共にお気に入りのギタリストが使っているモデルに搭載されているからです。
Abasi Guitars Laradaシリーズ
Animals As Leaders等で活躍されている、現代テクニカルジャンルの中でも最高峰と言えるTosin Abasi氏。
8弦ギターから繰り出されるベース~ギターのシームレスなテクニックは、一度目にしておいて損はありません(^^)
Animals As Leaders "CAFO" official music video
ANIMALS AS LEADERS - Physical Education (Official Music Video)
Strandberg J6 RAS LOCK
当ブログでも何曲か奏法解説記事にさせて頂いたり、ライヴレポートや気になる記事にもさせて頂きました、
BanG Dream!プロジェクトより、Raise A Suilenのギタリストである朝日六花(LOCK)のシグネチュアモデル。
実際に担当声優であり、プロギタリストでもある小原莉子さんがBanG Dream!プロジェクトのリアルライヴで使用しています。
【公式】RAISE A SUILEN「A DECLARATION OF ×××」ライブFull映像【BanG Dream! 7th☆LIVE】
【公式】RAISE A SUILEN「EXPOSE ‘Burn out!!!’」ライブFull映像【Poppin'Party×SILENT SIREN 「NO GIRL NO CRY」DAY2】
いつか別の機会にこのピックアップも試したいところです(^^)
最後に
狙った音があってのピックアップ交換ではありましたが、想定以上の収穫があったパーツ換装でした。
デフォルトの仕様でも十分実用性のあるBoden Originalですが、今回の換装でより自分好みの仕様になったと言えます。
実は他にもサーキットやノブ等を交換した部分もあるので、また別の記事でご紹介したいと思います(^^)
これ程の長文を読んで下さってありがとう御座います!
気に入って頂けましたらTwitterもフォローして下さい。
更新時にお知らせしております。(無言フォロー歓迎)
はてなブロガーの方はこちらから読者登録下さい(^^)
</