はじめに
筆者が2017年にRoseliaのコピーバンドをした際に、ツインギター編成なのであれば、ギターの片一方はシンセの手伝いをしても良いのでは?という記事を書いたことがありました。
BanG Dream!プロジェクトをコピーしたいと思って楽器を始めるギタリストさんも多くいらっしゃるでしょう。
そこにいきなりシンセも兼用しろなんて(言ってないけどw)のはまぁ普通はないわけで(笑)
実際にツインギターないしギター1人で編成されたバンドにおいて、ギターパートをどの様に弾いたらよいか、おそらくつまづきやすいであろう箇所を奏法解説として改めてまとめてみよう、というのがこの記事の趣旨です。
奏法のポイント
※チューニングはドロップD(6弦のみ1音下げ)です
オクターブ奏法
イントロやアウトロのリードパートで出てくる奏法。
過去記事でも何度か言及しておりますが、アニソンでは多様される奏法なので、きっちり押さえておきましょう。
いくつかの弾き方がありますが、この場合は最もメジャーなオクターヴ奏法です。
このフレーズでは、基本となる音が全て5弦上にあるので、3弦上の+2フレットを
5弦→人差し指
3弦→薬指
で押さえます。
(この場合)2本の弦だけ爪弾かない
バンドスコアにはこの2つの弦を弾くとありますが、実際は3・4・5弦を全て同時に弾きます。
…と言うことは、4弦の音が鳴らないように5弦を押さえている人差し指で、間の4弦に軽く触れる(ミュートする)必要があります。
更に言えば5弦を押さえている人差し指で、軽く6弦にも触れて(ミュートして)おくことで、万が一6弦を弾いてしまっても、余計な音が鳴りにくくなります。
ここまで出来ると、まるでフルコードを掻き鳴らすかのようなワイルドな見た目+音にもなりますので、頑張って練習してみて下さい(^^)
高速アルペジオ
※オクターブ奏法の項目と同じ動画です
イントロ前半の最後に一瞬だけ出てくるアルペジオ、厄介ですよね。
私もライヴで何度ミスしたか…(^^;
フォーム(押さえ方)編
このアルペジオパターンはしっかり指を立てて押さえることです。
直前までオクターヴ奏法のフォームになっている為、上述した人差し指で他の弦をミュートする為に指が寝かせ気味になっているハズです。
他の指にも影響しますから、これを意識的に切り替えましょう。
更に言えば、指に必要以上に力が入らない様に、体がここだけ少し前傾姿勢になっているのも動画でわかるかと思います。
指を立てやすくする為に、体〜手を内側に軽く丸め込むイメージです。
注意点として、手元を見やすくする為と思ってギターの指板を自分側に傾けないことです。
ちょっと考えればわかりますが、指板が自分の方に傾いていると、押さえる指を立てる為に余計に力が必要になってしまうからです。
ピッキング編
アルペジオと言うと、ダウン⇔アップを繰り返すオルタネイトピッキングが一般的ですが、必要とあらば崩してしまうのも手です。
私はこのアルペジオを音順に、
3弦→ダウン
1弦→アップ
2弦→アップ
3弦→ダウン
1弦→アップ
2弦→アップ
3弦→ダウン
と弾いているのが動画で確認出来ます。
勿論、オルタネイトピッキングでも良いのですが、そこまで固執する必要はないと思われます。
2本弦のアルペジオ
ポイントは後半に出てくるアルペジオのパターンです。
バンドスコア通りに弾くなら、ピッキングはダウン↔アップを繰り返すオルタネイトピッキングで良いかと思います。
3音で1まとまりのフレーズなので、1弦を弾く時に毎回ダウンとアップが交互に来るのに違和感を感じるかもしれませんが、何度も練習して慣れましょうw
この動画では私はこのフレーズを、1弦の2音をプリングオフ(=ピッキングしない)で弾いています。
これは1音目をより強調させる弾き方ですが、好みの問題なので、迷ったらバンドスコア通りオルタネイトピッキングでコピーして下さい。
Aメロ前半のオブリ
ここのオブリガードがこの曲の最難関とも言われますね^^;
ちょっと変えてます
バンドスコア通りに弾くと、スライドを多様する形になるようです。
※スライド奏法とは、最初だけピッキングして、後は弦を押さえたまま弦上を移動して音程を変える奏法です
この動画では私は前半最初の3音と、後半最初の3音はスライドではなく、ハンマリングとプリングで弾いています。
原曲と聴き比べても然程ニュアンスに違いはなく、むしろこっちの弾き方で弾いているのでは?とも思ったり…(^^;
速いスライドなので…
この手のスライドのコツは、(音を動かす)途中をゆっくりしないこと。
つまり、素早く動かすかギリギリまで最初の音で待ちつつ、最後に一気に動かすかです。
いずれにせよ、スライド先のフレットの位置を把握する必要はあるので、何度も練習して慣れましょう。
クリック(メトロノーム)のすゝめ
弾けないうちは、ゆっくり弾くことを恥ずかしがらないで下さい。
見栄っ張りにガチャガチャ弾いたところで、聴く人には伝わってしまいます^^;
動画の様に、テンポを落として(もっと落としても良い)弾ける様になったら、徐々に原曲に近付けていくと良いでしょう。
弾けないフレーズは、(運指に余程無理がない限り)この練習法で必ず弾ける様になります。
クリックやメトロノームを使ってテンポを把握しながら練習すると、上達が目に見えて良いですよ(^^)
BPM195のダウンピッキング
この楽曲のテンポはBPM=195です。
上述した通り、リード部分ではオルタネイトピッキングが基本ですが、Aメロ後半のパワーコードを使ったブリッミュート(=通称、刻み)では、ダウンピッキングでないとサウンドに迫力が出ません。
全部ダウンピッキングで弾くとなると、慣れないうちは大変かと思います。
ですが、ここはピックを持つ指先の力加減を維持しつつ、腕の力をうまく抜く練習だと思って、上述したゆっくりのテンポから根気よく練習してみて下さい。
コツは、指や手・手首の力だけに頼らないこと。
肘や肩の力も借りつつ、更には肩〜指先までの動き全体で遠心力を作れる様になることが理想です。
刻む時は出来れば平行アングルが望ましい
ピッキングする時に、弦にピックが当たる角度を考えたことはありますか?
一般的には3種類あります。
- ピックを内側に傾けて弾く(=順アングル)
- ピックの面を弦の向きそのままに当てて弾く(=平行アングル)
- ピックを外側に傾けて弾く(=逆アングル)
あまり意識していないと、自然と順アングルになっていることが多いようです。
※筆者progreはそうでした。
しかしながら、高速ダウンピッキンの巨匠とも言えるMetallicaのVo&GtであるJames先生に学べば、彼は如何に速かろうと、如何にストラップを下げて弾きにくい状況であろうと、ダウンピッキングのブリッジミュートの際は平行アングルであることがわかります。
Metallica: Master of Puppets (Manchester, England - June 18, 2019)
順アングルや逆アングルが間違いということは決してありません。
リードやカッティング等でうまく使い分けると、表現力の幅は格段にあがります。
※Metallicaの動画後半のリード部ではJames氏も順アングルで弾いています
しかしながら、単純なブリッジミュートしながらダウンピッキングで刻む場合は、平行アングルが最も弦振動を有効に使えて、音も太く聴こえるのでオススメしたいです。
この辺のピッキングにご興味がおありの方は、こちらの記事もどうぞ(^^)
最後に
Roseliaの楽曲は(特に初期の楽曲は)初心者向けと思われがちですが、この楽曲はちょいと一筋縄ではいかないという声もよく聞きます。
実際に筆者progreもそう思いました^^;
そう言った箇所にぶつかってしまった際の対処法等も記載したつもりです。
もっと聞きたい箇所があれば、演奏動画やTwitterのメッセージ・このブログのコメント欄へご質問下さい。
お応え出来る状況にあれば、可能な限りお力になりたいと思います(^^)
これ程の長文を読んで下さってありがとう御座います!
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参考音源
※シングル「BLACK SHOUT」にカップリング収録されています
参考バンドスコア
音作り
ギター : Strandberg Boden Original 6
アンプ : Diezel VH-4 ch4をKemperにプロファイリングしたRig