はじめに
皆さんは普段ギターの練習をする際、どの様に音を出していますか?
日本の住宅事情ではアンプに繋いで大音量で、とはなかなか難しいのではないでしょうか?
最近では決して珍しくはありませんが、私も使っている自宅練習用の機材をご紹介したいと思います。
デジタル技術の発達
21世紀に入ってからというもの、楽器という大変アナログな世界にも、デジタル化の波が押し寄せています。
私が学生時代を過ごした2000年代はPOD等のアンプシミュレーターの良さが徐々に浸透していった時代。
私もPODではありませんが、BOSSのGS-10というアンプシミュレーター兼オーディオインターフェースを使っていたこともありました。
近年の2010年代に至っては、スマホ・タブレットの普及に伴い小型・軽量・アプリ化している機材も多く、大変便利な世の中になったなと感じています。
アンプシミュレーターのアプリ化
上述したPODを始め、多くのアンプシミュレーターがアプリとして存在します。
好みで色々なアプリを使い分けるなんてことも出来ますね。
これらのアプリ音源も、いずれはレビューしていきたいと考えております。
オーディオインターフェース
PC音源ソフトを使うにせよ、スマホやタブレットの音源アプリを使うにせよ、ギターを繋ぐ為にはその端末に適したオーディオインターフェースが必要になります。
私もいくつか使い分けていますが、今回の本題であるSonic Port (Line 6)をご紹介します。
Sonic Portの機能
これについては、本家HPから引用させて頂きます。
特長
- 24-bit/48kHzのオーディオ・クオリティを実現する2イン/2アウト・オーディオ・インターフェース
- 120dBのダイナミック・レンジ を実現するバッファー装備1/4” ギター/ベース入力、
- 1/8” ステレオ・ライン入力
- 1/4” モノ/ステレオ対応ギター/ラインレベル出力
- 1/8” ステレオ・ヘッドフォン出力
- GarageBand等Core Audio音楽アプリで動作
- iOSデバイスからパワー供給 ― 追加電源やバッテリー不要
- デタッチャブルな30ピンDockコネクター・ケーブル、Lightningコネクター・ケーブル付属
Lightningケーブル対応のiOS端末であれば、接続することが出来るはずです。
(仕様については自己責任にてご確認をお願いします)
端末から電源供給するので、アダプタや電池を使うこともありません。
アウトプットはヘッドフォンに繋いでも良いですし、アンプに繋ぐことも出来ます。
※これが発売当時、競合であるiRigとの差別化になりました。
使用例
文字ばかりではイメージがわきませんよね。
iOSのGaragebandで作った音源をnanaというアプリにupしたものです。
※nanaの仕様上、モノラルになってしまう点はご了承下さい^^;
Gt × 3, Ba, Drパートの内、Gtの音は全てSonic Portに繋いでGaragebandとアンプシミュレーターのアプリを連携させて録音しています。
音質面はシミュレーターアプリや端末の性能に依存するところが大きいですが、まぁ問題なく使える音質ではないかと思っています。
アプリも含めて使いこなせれば、簡単なスタジオリハやライヴくらいこなせてしまうかもしれませんね。
欠点もある?
利点ばかりの紹介ではなんですので、欠点と思われるところも記載します。
使用中、端末の充電が出来ない
このSonic portはiOS端末とLightningコネクタで繋ぐ以上、仕様中の充電は出来ません。
先程、スタジオリハやライヴでの使用に言及しましたが、この仕様上、現実には不安が残るところでしょう。
※こちらには上位機種が既に発売されており、そちらではこの欠点を克服しています。
レイテンシー
生のアンプを繋いで弾く時と、アンプシミュレーターを繋いで弾く時では、スタジオだろうがライヴハウスだろうが自宅だろうが、音の出方に違いがあります。
近年は技術もかなり進歩していますが、それでもアンプシミュレーターにはレイテンシーがいくらかは存在します。
私はここで「シミュレーターは所詮似せたもの」を議論したわけではありません。
アンプシミュレーターには生のアンプには無い利便性が確かにあります。
ただ、この違いを理解していないと致命的だということを述べたいのです。
普段シミュレーターで練習している方は、スタジオやライヴハウスで生のアンプを使って演奏するならば、全体のサウンドを録音してみると良いでしょう。
余程の意識を持っていない限り、走り気味になっているはずです。
それもそのはず、生のアンプはほとんどレイテンシーがありませんからね。
普段、音源やクリックに合わせてシミュレーターで練習している時に、知らず知らずの内に少し走り気味で弾くクセがついてしまっているのです。
その点では、初心者で色々と覚える段階の時はあまりシミュレーターはオススメ出来ないのかもしれません。
逆に生のアンプとの違いを感覚的に理解して、リハーサルの時はそこを中心に練習する等、対策を取れるギタリストならば、シミュレーターは本当に便利です。
最後に
最後の方はちょっと嫌なことも書いてしまいましたが、結局のところは便利で安価なので有用であると言えます。
実際に私も使っていながら、現場での走りグセはなかなか直りませんし・・・
まぁ、シミュレーター使う前から走りグセのあるタイプだったんですけどね^^;
自宅で鳴らせないアンプを買うんだったら、このSonic PortとiOSのアンプシミュレーターアプリでしっかりパート練習をして、スタジオのリハーサルでは走りグセの修正を心掛けて周りが何をやっているのか、どこに合わせるのかに集中する・・・そんな風に使い分けた方が、実はリハーサルの中身は濃いものになっていくのではないでしょうか?