はじめに
タイトルの通り、筆者progreが人生で最初に購入したエレキギターが十数年を経て手元に戻ってきたというお話です。
今回はこのギターを再組み込みするにあたって、どうしようかと今の段階で考えていることを記事にしたいと思います。
前回の経緯編はこちらから
デフォルトのスペックを整理
手元に帰ってきたこのギター。
Grass RootsのG-AS-65SMというモデル。
ESPのANCHANG STARの廉価版にあたります。
Grass Rootsの廉価版は生産終了になっているようなので、当時のカタログを観た時の記憶やWebの情報を頼りにしています。
ボディは(おそらく)バスウッド
当時のカタログにはそう書いてあったと思います。
本家ESP製がハードメイプル、廉価版Edwards製がアルダー、更に廉価版のGrass Roots製がバスウッドであったハズ。
木材の考察
バスウッドはその流通量や、柔らかめで加工しやすいという特徴から、安価なギターのボディ材としては定番です。
一方でその軽量さや音質に癖が無いからか、コンポーネント系のハイエンドギターにも使われることがあります。
※意外と軽量でない、質量のあるバスウッドも存在します
今の自分の知識と経験でこのボディ材を活かすなら、ヴィンテージサウンドを狙うのではなく、モダンでフルレンジ〜汎用性の高い音色を狙ったパーツと組み合わせを考えるでしょう。
本来このギター本来のイメージである王道ヘヴィメタルサウンドは狙わず、その手のジャンルであればジェント系のようなフラットなサウンドを目指します。
ボディ形状の考察
さてこのギター、読んで字の如く変形ギターです。
テレキャスやレスポールに代表されるようなシングルカッタウェイのあるはずの部分が存在しないわけですから、物理的にギター本体で重く分厚い音は出しにくいのではないかと想像します。
一方で、シングルカッタウェイのギターによくある高音域帯の音の詰まりは皆無であると思われるので、ローフレットのコードワークからハイポジションのリードプレイまで音作りはしやすいハズ。
ある意味で、上述のバスウッドという木材と互いに活かし合っているのではと言えなくもないのではないでしょうか?
ネックはローズonメイプル
これもギターとしては定番の組み合わせでしょう。
本家ESPではエボニー指板と高級材が使われています。
先のハードメイプルボディ&ネックにエボニー指板でかなり硬質な音色を狙っているのがわかります。
この廉価版であるバスウッドボディ&ローズonメイプルネックの組み合わせでは、いくらパーツ類を近付けても音の立ち上がりの遅さと余計に広がる倍音で似ても似つかぬ音色になることが予想されます。
ならばこれを逆手に取って、よく広がるコードや甘めのリードトーンを狙ったパーツ選びをする方が、このギターを活かせると推察出来ます。
ニッケル製24フレット
商品の質はともかく、本家ESPとここは同じ。
最近のハイエンドギターにはステンレスフレットが搭載されていることも多いですが、ニッケルはニッケルで加工や交換が容易というメリットもあります。
サビサビの弦で全てのポジションの音を確認しましたが、おそらく過度にすり減っている部分も少ないと思われますので、まずはフレットを綺麗にした上での再利用を考えています。
※自分で交換するのはハードルが高いですしね^^;
ペグの考察
本家ESP版ではGotohのSG360シリーズとのこと。
いわゆる、シャーラータイプの真横(ペグに対して直角)に止めネジが来るタイプですね。
Grass Rootsの廉価版では同じシャーラータイプでも、斜め下に来るタイプが使われているようです。
この辺の細かな違いに関しては、サウンドハウスさんがわかり易く纏めて下さっているページがありますので貼っておきますね(^^)
Gotoh製のペグは筆者progre自信も多くのギターに付け替えてきました。
同社のマグナムロックや、H.A.P.Mと呼ばれる特許技術でペグ毎にナットからの角度を変えられるというのも便利です。
※一部のモデルのみ
ヘッドに角度?
ただ、このギターは珍しくヘッドに角度がついているタイプでした。
Gibsonのギターなんかにはよくあるタイプです。
角度の無いFender系のギター等は、特に一般のヘッドだと1&2弦の距離が遠いので、ナットに弦を収める為にストリングガイドが1&2弦用についていたりしますね。
後述しますが、このギターにはFloyd Rose系のブリッジが付いています。
ナットは必然的にロックナットになります。
ロックナットの少しヘッド側にはストリングガイドに代わるテンションバーと呼ばれるパーツが付いています。
テンションバーの効果で弦はナットにしっかり抑えられるハズですが…更にヘッドに角度がついているのですね^^;
それならばGotohのマグナムロックにするにしてもH.A.P.Mである必要はないかと推察します。
更に後述しますが、ネックに角度がついているならばテンションバーもおそらく不要でしょう。
ナットの考察
上述の通りFloydタイプなのでロックナットが付いています。
かなりサビが酷いので交換は交換なのですが、同じロックナットタイプに付け替えるか、最近気になっているローラー(ベアリング)ナットに改造しようか検討中です。
精度の良いペグ・ナット・ブリッジであればFloydタイプでもチューニングの狂いは最小限になると聞きます。
このLSR Roller Nutは通常のナットから付け替える場合は指板を削る加工を施す必要がありますが、ロックナットは元々幅広く削って付けられている為、何とか流用出来ないかな?と考えたわけです。
ネジ穴の位置程度なら自分で何とかなると思いますが、俗に言うゼロフレットの位置が合うかどうかが問題。
自分で指板を削るのは自信がありませんが、簡単な穴開けとオクターブチューニング調整で済むならば、搭載してみたいですね(^^)
ボルトオン構造
ネックとボディはボルトオン方式。
ヒールレス加工がされているジョイントプレートが無いタイプですね。
流石にジョイントスクリューはサビ(とカビ?)でかなり汚れてしまっているので、長さを測ってから市販品を買うことになりそうです。
せっかくなので、ステンレス製とかを試してみたいですね。
ジョイントプレートがあれば色んな材質を試してみたかったのですが…
特にスティール製とチタン製の音質比較とか気になりますね。
音質の質感が材質によって変わるというのは何となくイメージ出来なくもないのですが、個人的には質量が他のパーツの影響の度合いを変えるという仮説を建てているので、その検証もしてみたいというのもあります。
ブリッジはFloyd Roseタイプ
上述しましたが、このギターにはフロイドタイプのブリッジが付いています。
個人的にはもう長くフロイドタイプは使って来ませんでした。
一般的な理由よろしくですが、弦交換が面倒というイメージが未だに付いて回るからです^^;
…とは言え、フルフローティングによるアームのアップダウンはそれはそれで魅力的というもの。
加えて最近はTremol-Noという三段可変に出来るパーツもあるというではありませんか。
更にトレモロブリッジに精度の高い製品を組み合わせて、先に書いたナットやペグでうまくロックナットを回避出来れば使い勝手も向上するというもの。
ちなみにフロイドタイプはブロック部の大きさが数種類あるようで、このギターを解体して測ったところ、33mmでした。
弦交換の多少の面倒さも軽減されるのではと推測しています。
フロイドタイプに限らずですが、ブリッジサドルの音質の違いなんかも比較出来たら面白そうですね。
鉄(スティール)よりプラスチックの方が軽いのは当たり前ですが、同じ金属でスティールとチタンの比較はジョイントプレートに続きやってみたい比較検証です(^^)
ここで一旦まとめると
だいぶ長文になってしまいました。
ここで一度イメージ整理します。
- バスウッドボディ(デフォ)
- ローズonメイプルネック(デフォ)
- ニッケル24フレット(デフォ)
- Gotohマグナムロックのペグ(換装)
- LSR Roller Nut (換装出来れば)
- ステンレス製ジョイントスクリュー(換装)
- Gotoh GE1996Tシリーズ33mm (換装)
- KTS チタンブロック(換装)
こんなところでしょうか。
続きます
前後編で終えるつもりが、まだピックアップやサーキット類の電装部分を残してしまうことに…
当時は無かった便利な機材や、初心者としての知識・経験不足。
今でも日々精進の身ではありますが、当時よりは確実に出来ることは多い。
このギターに関して実際に行動を起こすのはいつになるかは未定ですが、今のうちに考えたことはキッチリ記録に残しておきたいところです。
最後の電装編までお付き合い頂けると嬉しいです(^^)
これ程の長文を読んで下さってありがとう御座います!
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