はじめに
以前の奏法解説記事でも何度か陰陽座の楽曲 を取り上げさせて頂きました。
今回ピックアップした龍の雲を得る如しという楽曲は、(勿論、きちんと弾こうとすると難しいのですが・・・)一見それ程目立つ技術を必要としないシンプルな印象です。
しかしながら、ヘヴィメタルのギターに取って重要な基礎技術が大変多く盛り込まれていたので、自分の中での復習も兼ねて奏法解説していきたいと思います。
自分は上級者だ!という強者なあなたも、(私がきちんと弾けているかはともかく)今一度復習と思って確認してみて頂ければ幸いです。
ギタリスト以外の方にとっても、楽曲でアクセントになる奏法が多いので、キーワードとして是非覚えておいて欲しいと思います(^^)
参考音源
参考スコア
奏法のポイント
※チューニングはレギュラー
※右手・左手等の表記は右利きを前提としています
ピックスクラッチ (0:02〜)
一般的な6弦ギターの4〜6弦はワウンド弦といって、表面がザラザラしています。
ピックスクラッチはピックをワウンド弦のザラザラ面に擦りつけることでジェット音の様な効果を出すことが出来ます。
ちょっと上級編
動画でもそうですが、このピックスクラッチは音程を変化させることが出来ます。
速いスピードで擦ると音程が高く、遅いと低くなります。
低音弦のヴィヴラート (0:06〜、他)
一般的なチョーキングヴィヴラートは、
弦を上(奏者にとっては手前)方向にベンド→元に戻す
を繰り返すことでヴィヴラート効果を得ることが一般的です。
しかし、特に低音弦側でヴィヴラートを掛けたい場合はそうもいきません。
動画ではわかりにくいかもしれませんが(6弦ギターの)5・6弦でヴィヴラートを掛ける際は、
弦を下(奏者にとっては奥)方向にベンド→元に戻す
を繰り返すことで、ほぼ同じような音程幅でのヴィヴラートを実現しています。
ピッキングハーモニクス (0:08〜、他)
ピックを短めに持って、ピッキングした瞬間にそのまま親指を弦に一瞬触れさせる
・・・と書くとシンプルですが、なかなか感覚をつかむまでは苦労する技術です。
私もエレキギターを始めた高校1年生の時になかなか出来なかった記憶があります^^;
あれはたしか、SEX MACHINEGUNSのTEKKENⅡだった・・・
ヴィヴラート(ベンド)を絡めるとやりやすくなる?
最初はその右手の動きを集中して練習するのですが、実はピッキングの瞬間に弦を抑えている左手で弦を一瞬ベンドしてやると、うまくいきやすいという経験則があります。
おそらく、ピッキングから親指が触れる迄の時間差を埋める働きがある為かと思われます。
動画のイントロのパターンはピッキングハーモニクス+ヴィヴラートなので、なかなか出来ない方は試してみて下さい(^^)
タッピングハーモニクス (0:25〜)
原曲にはこの奏法は入っていませんが、アレンジとして加えてみました。
音を出しているフレットの1オクターヴ上のフレットの真上を軽くタップします。
普段フレットの少し上(ナット側)を押弦すると思いますが、このタップする位置は指定フレットの真上というところがポイントです。
ブラッシング (0:27〜)
左手複数の指で弦をミュートしつつ、右手でピッキングしてパーカッシブな音を出す奏法です。
以前にこちらの記事でも取り上げました。
高音弦よりは、どちらかと言うと低音弦側を意識してピッキングすると、雰囲気が出るのではないかと思います。
ハーモニクス (0:32〜、他)
この曲のAメロで印象的なフレーズ。
指定されたフレットの真上に軽く触れ、ピッキングと同時に離します。
タッピングハーモニクス同様、指定されたフレットの真上に触れるところがポイントです。
慣れてきてもミスしやすい、且つ、ミスが目立ち易いので毎度神経を使います^^;
タッピング (2:32〜、2:47〜)
メタルギターの花形の一つでもあり、別名、ライトハンド奏法とも呼ばれますね。
ピッキングではなく、右手の指で指定フレットをハンマリング(プリング)します。
大まかに2つの方法がある
私はピックを持った状態のまま右手中指でタップします。
ピックを持ち替えたりして右手人差し指でタップするギタリストも多いです。
※こちらのサイトで詳しく解説してくれているので、紹介させて頂きますね。
スウィープピッキング (2:45〜)
メタルギターもう一つの花形。
ピッキングのダウン・アップを繰り返すことをオルタネイトピッキングと言いますが、
高音弦に弦移動(6弦側→1弦側)する際にはダウンピッキングのみで、
低音弦に弦移動(1弦側→6弦側)する際にはアップピッキングのみで
行う奏法をエコノミーピッキングと呼びます。
スウィープピッキングはこのエコノミーピッキングの1種で、まるで箒で掃く様にスムーズで流れる様なピッキングに観えることから、この名が付いたと言います。
注意点としてはオルタネイトピッキングと違いリズムが取りにくく、多くの場合ジャストタイムに対して走りがちになってしまうことです。
※私も演奏動画で走ってしまっているのがわかります^^;
特にこの曲のこのパターンでは、それ程速くないフレーズをスウィープでこなすので、余計に走りやすい。
対処法としては、メトロノームでテンポを落として弾いてみて、左手や右手でリズムがブレやすい部分をしっかり把握しておくことです。
最後に
奏法の種類も多く、ダッシュで触りだけ解説しましたが如何だったでしょうか?
メタルギターと言うのはわかりやすいテクニカル系が多い分野ではありますが、これだけ短い時間内にこれだけ多くの奏法を詰め込んでくる楽曲は珍しいなと思って、記事にさせて頂きました。
一見簡単なんだけれども、きちんとやろうとすると難しい。
そこには多くの基礎技術一つ一つを如何に大事に習得してきたかが問われますね^^;
最後まで読んで下さり、ありがとう御座いましたm(_ _)m
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