はじめに
2010年代以降のアニソンを語る上では外すことは出来ないであろうアーティストの一人がLiSAでしょう。
厳密にはアニソンの括りで語るアーティストではないかもしれませんが、アニソン業界に与えた影響はとてつもなく大きいのは間違いありません。
演奏動画や奏法解説ブログではあまり取り上げる機会がありませんでしたが、筆者progreもリアルのバンドやセッション活動の中でLiSAの楽曲を演奏したことは多々あります。
バンドスタイルで演奏するには非常にやりやすく、ロックな楽曲も多いのも人気の理由と言えるでしょう。
※過去にこっそりupした演奏動画です^^;
今回取り上げる楽曲も、十分に、いや、今まで以上にロックなスタイルの楽曲です。
これからこの楽曲をコピーする方や、既に弾けるものの自分の弾き方との比較・確認をしたいというギタリストさんの参考になれば幸いです(^^)
楽曲のポイント
この楽曲のポイントは何と行っても作曲にB'zの松本氏が携わったことでしょう。
ロックスタイルの多いLiSA楽曲でも、ここまでギターが全面に出てくる楽曲はなかったと記憶しています。
これから解説していく奏法にも、ここが前提となっている要素が多々ありますので、B'zのギタースタイルがお好きな方は勿論のこと、B'zは好きだけど今までギターの方は気にして聴いてこなかった方にも、楽しめる内容になっているハズです(^^)
奏法のポイント
- イントロと間奏で使用している8弦ギターについて
- Aメロのクランチトーン
- Bメロのクリーントーン
- サビのコードワーク
- サビ後半のオブリの変化
- 間奏のツインリード
- ギターソロ
- アウトロのリード
※チューニングはハーフダウン(全弦半音下げ)です
※耳コピにて音取りしています
イントロと間奏で使用している8弦ギターについて(0:00〜 / 3:05〜)
冒頭から見慣れない音が出ていますが、これは私が8弦ギターで弾いたものです。
実際の音源では、強く歪ませたベースで演奏されているものと思われます。
この部分以外にもエレキギターパートは手が足りない状況になりがちな楽曲ですので、出来ればここはベースにお任せしたいところですね^^;
Aメロのクランチトーン (0:29〜 / 1:53〜 / 3:33〜)
それまでのしっかり歪んだディストーションサウンドとは異なる、歪みを抑えたクランチトーンで弾くセクション。
弾き方も色々と解釈はあると思いますが、私はブルース・ロックっぽくベンド(チョーキング)を絡めた奏法で弾いています。
Bメロのクリーントーン (0:50〜 / 2:11〜)
ここも歌メロに合わせた特徴的な音色。
ちょっとシタールの様な雰囲気がありますね。
クリーントーンにコーラスエフェクトを絡めたものと思われます。
サビのコードフォーム (1:02〜 / 2:23〜 / 4:10〜)
とてもギターの厚みを感じる、ロックなサビ。
パワーコードだけとは思えない様な、ギターの高音弦の響きも聴こえますが、おそらく通常のフルコードとは異なると思われます。
フルパワーコード
筆者progreが勝手に呼称しているだけですが^^;
パワーコード=1度+5度
と定義すると厳密には違うのですが、例えばサビの1発目のDコードを、
(6th→1st) × × 0 2 3 2
と通常なら弾くところを、
(6th→1st) × × 0 2 3 0
と弾きます。
本来は1弦でファ♯(=Dコードの3度)の音を出すところを、
ミ(=Dadd9th)として弾くわけです。
9thですので、パワーコードではありませんが、3度を抜くことで通常のフルコードの整った響きとはまた違った雰囲気を出すことが出来ます。
Gコードなんかも、
(6th→1st) 3 2 0 0 0 3
と通常なら弾くところを、
(6th→1st) 3 × 0 0 3 3
と弾きます。
本来は2弦でシ(=Gコードの3度)の音を出すところを、
レ(=Gコードの5度)として弾くわけです。
更に5弦のシの音も省略することで完全に3度を抜き、1度と5度の音階のみが鳴ることになりますので、こちらは正にフルパワーコードですね(^^)
※この楽曲では全弦半音下げですが、ポジション的にわかり易くノーマルチューニングとして音階を表現しています
アルペジオに被せているクリーンコーラス
原曲をよく聴いてみると、ディストーションギターにクリーンコーラスの音が被さっています。
もしかするとクリーンコーラスではなく、ディストーションギターにコーラスを掛けているのかもしれません。
いずれにせよ、この手法はアルペジオの音の分離を良くする工夫としては王道で、どうしても音が濁りがちなディストーションギターのアルペジオをきれいに聴かせることが出来ます。
ちなみに、同じ揺らし系であるフェイザーやフランジャーでも似たような効果を、しかしながら微妙に違う雰囲気を得ることが出来ます。
サビ後半のオブリ (1:36〜 / 2:58〜 / 4:26〜)
ここは特に正確に耳コピ出来た自身が無い部分でもありますが…
1番・2番・ラストとちょっとずつ違うフレーズが入っていますね。
(音源通り正確に弾くかはともかくも)
歌もちょうどここはロングトーンになっていて、ギターのフレーズが合いの手になる形になりますので、ここは毎回変化をつけたいところです。
間奏のツインリード (3:14〜)
ギターソロ前の印象的なリードフレーズ。
おそらく私が弾いた様な、ベンド(チョーキング)しながら音階を調整する様な弾き方になるかと思われます。
単純なスライドだとちょっとニュアンスが違ってくるのかなと思われます。
※勿論、狙って弾くのはアリだと思います
実はここのヴィヴラート時に他弦に触れてしまっている音が出てしまったのは内緒です。
(自戒の意味も込めて)ヴィヴラートやベンド(チョーキング)の際に他弦の音が出ないように、ミュートはしっかりと行いましょう^^;
ギターソロ (3:33〜)
正にB'zの松本氏が弾きそうなフレーズが満載のギターソロ。
トレモロアームが付いていないレスポールタイプの様なギターでも、まるでアーミングしている様なフレーズが出てくる箇所なんかは、正に氏のフレーズの特徴です。
実際に音源で弾いているのも氏なのでしょうか?
※詳しくなくてスミマセン(-_-;)
このギターソロに関してはニュアンスも含めて耳コピするのは難しく、筆者progreはこちらのTab譜付奏法解説動画を参考に弾かせて頂きました。
アウトロ (4:33〜)
オリエンタルな印象のアウトロ。
スライドやベンドを駆使した、音の出入りに特徴のある奏法がふんだんに使われています。
ただただその音を弾くのではなく、その音に対してどの様な音の動きで入っていくのかをしっかりと聞き分ける必要があります。
往年のHR/HM(ハードロック/ヘヴィメタル)にはよく見られるフレーズではあるのですが、あまり音数を詰める様な速弾きのアレンジではなく、ロングトーンで粘っこさを出す様なフレーズで締めくくりたいところです。
最後に
実は今回の楽曲、自分では特に演奏動画にする予定ではなかったのですが、コラボ演奏動画バンドの企画で知ることになった楽曲なのです。
実際に聴いてみると、LiSA楽曲としてはいつも以上にハードロックで良いなと感じ、調べてみると何とB'zの松本氏作曲。
ギターフレーズの随所に氏の雰囲気を感じ取れた楽曲で、とても楽しむことが出来ました。
今後もそういう機会があれば、出来るだけ参加して数多くの楽曲に触れていきたいですね(^^)
これ程の長文を読んで下さってありがとう御座います!
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