はじめに
今年(2020年)も残り僅かとなりした。
近年の世の中はハロウィンが過ぎるとすぐにクリスマスの様相に早変わりしますね。
私事では御座いますが、足元勤務先で業務内容が大幅に変わる異動がありました。
異動前の引き継ぎから異動後の生活リズムの変化になかなか体のペースが出来ずに、演奏動画やブログも小休止となっていた中、今年もなんとかハロウィンに合わせて(?)演奏動画を投稿出来ましたので、時期はすでに過ぎましたが奏法解説ブログにも起こしておきたいと思います(^^)
HalloweenにHelloween
筆者progreと本格的な洋楽メタルとの出会いはHelloweenというドイツのバンドです。
去年(2019年)もやりましたが、今年もハロウィンでは仮装も外出もすることなく、自宅でこのHelloween楽曲と向き合って楽しんでおりましたw
THE DARK RIDEの一曲目と二曲目
※厳密に言えば1トラック目が導入SEとなっているので、2トラック目と3トラック目になります。
昨年演奏動画&奏法解説ブログに起こした楽曲と、今回取り上げる楽曲は同じアルバムの始めに入っている2曲。
前者はHelloween節全開の、バンド創成期からのメンバーであるGtのMichael Weikath(以下、ヴァイキー)作曲の楽曲。
All Over The Nations (HELLOWEEN) guitar full cover 【Happy Halloween!】
そして後者はこのアルバムのツアー後にバンド内のゴタゴタで解雇となった二名の内の一人である、DrのUlrich Kusch(以下、ウリ)作曲の楽曲です。
ここではその時のバンド内のゴタゴタについて語るつもりはありませんが、個人的にここで重要なのは、このアルバムに収録されている楽曲はHelloweenらしい楽曲と、そうでない(当時として)モダンメタル路線の楽曲が混在していたということです。
当時メタル初心者であった筆者にとって、とても聴きやすいキャッチーなメロディックスピードメタルと、カッコ良いモダン・ヘヴィネスなヘヴィ・メタルが混在するアルバムが聴けたことは、(当時のHelloweenファンにとっては賛否両論分かれたのは想像に難くないですけれども)メタルの世界に入り込むには最高なアルバムであったと今でも感じています(^^)
奏法のポイント
- ドロップC♯チューニング
- ツインリード
- Aメロの刻み
- ギターソロ
Mr. Torture (HELLOWEEN) guitar full cover【Happy Halloween!】
ドロップC♯チューニング
まずはこの楽曲の最低音から。
私の演奏動画では、リードギターはハーフダウン(全弦半音下げ)チューニングで弾いていますが、バッキングギターは更に6弦を1音下げたドロップC♯(全弦半音下げ+6弦のみ1音半下げ)チューニングで弾いています。
筆者にとって初めて本格的なドロップチューニング体験だった
21世紀も20年経過した今でこそ当たり前に使われるドロップC♯以上のダウンチューニングですが、当時エレキギターを弾き始めた筆者にとって、エレキギターの音としてこんなに重低音なサウンドを自分から能動的に聴いたのは初めてでした。
(あくまで筆者progreの狭い音楽経験上でのお話ですが)
このTHE DARK RIDEが発売された2000年ちょいくらいまでの時期としては、精々X (JAPAN)でハーフダウン(全弦半音下げ)、hide with Spread BeaverのROCKET DIVEやGLAYの誘惑でドロップD(6弦のみ1音下げ)チューニングというのが筆者自身にとってのエレキギターで出すヘヴィな音だったのです^^;
(勿論、世の中には既に7弦ギター以上の重低音楽曲は存在していました)
※世代感伝われw
X JAPAN エックス・ジャパン - Blue Blood Live
今でこそメタル以外にも当たり前に使われる
今ではあまり音楽のジャンル分けに意味はなく、エレキギターのダウンチューニングによる重低音サウンドというのもヘヴィメタルやハードコア等に限定される特異なものではなくなりました。
当ブログや筆者progreのYouTubeチャンネルでも演奏動画としてよく取り上げさせて頂いているアニソン系コンテンツでも、(7弦ギター含む)ドロップC♯以上のダウンチューニングが割と当たり前に使われています。
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ダウンチューニング時に気を付けていること
7弦ギターを使う場合は単純に音域が増えるだけなのでそこまで意識することもありませんが、既存の6弦ギターで弦を緩めるダウンチューニングでは弦のテンション感が大きく変わります。
今回は特に弦のゲージ(太さ)はそのギターのノーマルチューニング時と同じもので演奏しましたが、必要に応じて弦を太くする等の対応は必要かと思います。
弦のゲージを変えない場合でも、テンション感に合わせてピッキングの位置を変えて対応することもあります。
一般に弦が張ってある外側(ナットやブリッジ付近)はテンションが強く、内側(12F付近)はテンションが弱いので、ダウンチューニングで弦が緩んでいる際に速く端切れの良いサウンドを狙う場合はいつもよりブリッジ側を意識してピッキングしています。
※後述の項目あり
音色面でもテンション感が影響すると思っています。
個人的な印象では、
- 弦の張りが強い=高音域帯多め / 低音域帯少なめ
- 弦の張りが弱い=高音域帯少なめ / 低音域帯多め
の印象なので、弦が緩まっている際はEqでBassを削り、Presence等を少し足したりしています。
ツインリード
冒頭であまりHelloweenらしからぬ楽曲として紹介した当楽曲ですが、全てがそうというわけではありません。
ツインギター編成によるツインリードのハモりや掛け合いは健在です。
残念ながら(後述する)ギターソロでのそれはありませんが、
- イントロのメインリフ
- サビの裏メロ
- ギターソロ前
このように随所に見受けられます。
※ちょっとクドいくらいですが(笑)
今回は演奏動画という形でギターは全て自分が弾いているわけですが、実際バンドで合わせた時のツインリードのハモりや掛け合いはまた特別な感動があるもの。
筆者progreもこの楽曲で体感したことはありませんが、別の楽曲や別のアーティストの楽曲で数多くのツインリード楽曲を体感してきました。
バンドでの実演奏というのはご縁や機会というものが必要なので難しい面もあるでしょうが、是非一度はその感動を体感して頂きたいものです(^^)
Aメロの刻み (0:25〜 / 1:19〜)
Mr. Torture (HELLOWEEN) guitar full cover【Happy Halloween!】
上述したツインリードともう一つ、この楽曲で重要なポイントがこのAメロのバッキングパターンだと思います。
ブリッジミュートを駆使した、通称刻みですね。
音色に気を付ける
ヘヴィメタルと言うと、派手に歪ませたエレキギターの音色というイメージはあるかと思いますし、実際に相違ありません。
ただし、この手の歯切れのよい刻みリフを弾く際には歪みきったギリギリのラインを狙うイメージで音作りをした方が良いと筆者は感じています。
最近はしっかり歪ませた上でノイズリダクション(ノイズゲート)を使って端切れを良くする手法も見受けられますが、一般的に演奏者側が演奏中に音色面も合わせてコントロール出来るレベルとしては難しく、どちらかと言えばミックス時の処理に頼る部分が多いものではないかと思います。
歪み具合に加えて、Eq処理も重要です。
ヘヴィメタルだからと重低音を強調するような音作りは、理論上遅れて聴こえる低周波の影響で歯切れが悪くなる上、ベースと重複する周波数帯がバンドアンサンブル時に音割れを起こすレベルで強すぎる(通称、ブーミー)ことになりかねません。
ベース始め低音楽器に任せる部分は任せつつ、その上に乗っかるような音作りを意識することで、最終的に聴いている側にヘヴィかつ歯切れのよい刻みに聴かせることが出来るのではないかと思っています(^^)
弾き方に気を配る
絶対的な正解というものが存在するかはわかりませんが、演奏面でも気を配っている点が、左右両手を使ったミュートです。
右利き用のギターの場合、ここでは右手はブリッジミュートに付きっ切りになりますので、左手のミュートをうまく使っていきます。
この楽曲のBPMは概算190程度。
16分音符1つ分だけを左手でミュートするのは厳しいですが、2つ分(=8分音符)以上の休符がある時は左手でミュートを掛けているのが演奏動画から見受けられると思います。
カッティングやブラッシング時と同様に、ミュートする指は1本ではなく、2本以上で行うことでハーモニクスや余計なノイズを乗りにくくするようにも気を付けています。
ギターソロ (2:22〜)
メタルの花形でもあるギターソロ。
勿論、この楽曲にもあります。
…が、個人的な意見を言わせて頂くと、この楽曲のギターソロはあまり面白いとは思えませんでした^^;
Helloweenの楽曲に期待するツインリードのハモりや掛け合いは一切なく、ただアドリブで速弾きしているだけのギターソロには存在意義があるのか?と思ってしまいます。
※生意気な意見でスミマセン…それだけこの楽曲のそれ以外の部分が好きなのです(-_-;)
…とは言え、スタートのフルピッキング下降フレーズやその後の6本弦スウィープ等、印象的な部分はそれっぽくコピーしてみたつもりです。
今回は変えてしまいましたが、後半の開放弦混じりで音が上がってくるフレーズも、ギターソロとしては良く見受けられる手法ですので、ソロフレーズの教材としては良いのかもしれません(^^)
最後に
Helloween楽曲となると若い頃からの思い入れも強く、ついつい長文になってしまいました。
奏法のポイントも数が多いわけではなかったのですが、その中で自分が拘って練習して来た部分も多いので、その辺りが良くも悪くも参考になれば幸いです。
去年に引き続き今年もHelloween楽曲を演奏動画に残すことが出来ました。
来年も出来たら良いなと思いつつ、その他の演奏動画や奏法解説・機材紹介等の方も続けて参りますので、末永く見守って頂ければ幸いです(^^)
これ程の長文を読んで下さってありがとう御座います!
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参考音源
参考スコア
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