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はじめに
2019年ももう終わりますね。
筆者progreもカレンダー通りの職業ですが30日ギリギリでの仕事納めでした。
直近(というか昨日)にあるコンテストに応募してみました。
当ブログの奏法解説でも、リードギターに於ける艶(ツヤ)の部分でよく紹介させて頂いているTUBEのギタリストでもある春畑氏。
氏の新曲配信発売を記念した(これまた長年お世話になっている)ヤングギターとの企画です。
課題曲は大人の事情でfull版をお届けすること叶いませんが、コンテストに応募した1コーラス分だけ、奏法解説していきたいと思います(^^)
実は今年のコンテスト応募は2つ目
ブログ記事に起こすのを失念してしまったのですが、今年の夏に全く別のギターコンテストにも応募しました。
【Kiesel Solo Contest 2019】play by progre #kieselsolocontest2019
こちらはKieselというアメリカのセミオーダーギターメーカーさんの企画。
ほぼ毎年行われているようですが、今年始めて参加してみました。
昔のコンテストのイメージと違って、自宅で撮影した演奏動画を指定の方法で投稿するだけなので、とても気軽です(^^)
結果は勿論、入賞にはカスリもしなかったわけですが^^;
世界中のギタリストが同じバッキングトラックに様々なソロを入れてくるのはとても面白く、勉強になりましたね。
Kingdom of the Heavens
さて、今回のコンテストの課題曲。
筆者progreは春畑さんの新曲という情報から知ったわけですが、どうやら新日本プロレス「バンドリ!Presents WRESTLE KINGDOM 14 in 東京ドーム」大会テーマ曲だったみたいですね。
WRESTLE KINGDOM 14 Official theme song「Kingdom of the Heavens 」MV SIZE
当ブログの読者様におかれましてはお馴染みのBanG Dream!プロジェクトですが、ブシロードの創業者である木谷氏は新日本プロレスの元取締役会長であり、オーナーでもあります。
春畑氏はサッカーや野球等のスポーツ方面に楽曲提供をすることは決して珍しくはありませんが、今回の新日本プロレスへの楽曲提供は(勝手に)個人的な縁を感じずにはいられませんでした(^^)
奏法のポイント
- ニュアンス勝負のオープニング
- メインリフ
- クリーンアルペジオ
- 半止めワウ
- ニュアンス勝負のサビ
※チューニングはバッキングのみドロップD(6弦のみ1音下げ)です
Kingdom of the Heavens(春畑道哉)
— progre@演奏動画&ブログ【週末のバンドマン】 (@progre_k) 2019年12月29日
僭越ながら応募させて頂きました!
完コピを意識しつつも、要所要所に自分の《好き》を詰め込んでいます(^^)
最終決戦イベント:参加#春畑道哉 #Kingdomギター選手権 @HaruhataMichiya @young_guitar pic.twitter.com/rDb4PfCVXZ
ニュアンス勝負のオープニング (0:00〜)
春畑氏の楽曲でニュアンス勝負と言ってしまったら、全てがニュアンス勝負なのですが…^^;
おそらくここだけ少しBPMが遅く設定(あるいは速めたテンポに対してハーフタイム)されていると思われます。
スライド
原曲の音階に対してどのように入るか。
一つ目の答えがスライド。
ローフレット側から入るスライドや、ハイフレット側から入るスライドを駆使して弾いてみました。
春畑氏ご本人もかなりの頻度でローフレット側からのスライドを入れていることがわかります。
【見本動画】YOUNG GUITAR presents「Kingdomギター選手権」開催
チョーキング
一般的な教則本では目的の音まで弦を引き上げるところまでしか書かれていません。
上に貼った見本動画では実に様々な音の上げ方をしているのがわかるでしょうか?
大別しただけでもこの3パターンがあります。
後のBメロ部分のセクションでは、音を引き上げた状態でピッキングしてから元に戻すという手法も使われており、この辺に春畑氏の実力を感じずにはいられません。
筆者progreはオープニング最後のチョーキング時に、タッピングを混ぜることで少し異なるメロディ感を加えてみました。
メインリフ (0:28〜)
メインリフ@Kingdom of the Heavens(春畑道哉)
このリフの最低音はDである為、チューニングがドロップDであることを確認して下さい。
オープニングとはテンポ感が異なる為、走ったりモタったりし易いところが難しかったですね(-_-;)
フレーズそのものは難しくありませんが、最初だけリズムの頭から入るものの、以降は8分音符裏のリズムから16分音符の刻みを入れるのが少々厄介というところでしょうか。
リフのパターンの最後にピッキングハーモニクス+ベンドを入れることで、よりヘヴィに聴こえるアレンジを加えています(^^)
Universal Mind (Liquid Tension Experiment)
原曲のリードフレーズは、ワウを使ってスライドとフルピッキングを行っているようです。
筆者progreはここで思い切った遊び要素を詰め込みました。
Liquid Tension Experiment - Universal Mind
この楽曲の0:36〜辺りのフレーズですね。
ちゃんと確認しなかったが為に微妙に違いますが(-_-;)
Dream Theaterやそのメンバーから派生したプロジェクトであるLiquid Tension Experimentは学生時代とても大好きで頑張って練習していたので、原曲のコードに対するスケールアプローチからこの楽曲を連想し、思い切って入れてみました(^^)
クリーンアルペジオ (0:53〜)
アルペジオ@Kingdom of the Heavens(春畑道哉)
原曲を聴くとテンションコードだらけで難しいな…と思いますけど、幸いにもご本人の見本動画があったので、そちらを目コピしながら耳コピしています。
ギターという特性を活かした、コードの複雑さの割には運指の難易度は最小限に抑えられているコード進行です。
※見本動画0;56〜を参照
音作り
一般的にクリスタルクリーンと言うのでしょうか?
この手の音色は、
- シングルコイルピックアップ
- コーラスエフェクト等の揺らし系
- 揺らし系を複数組み合わせる
- 最後にディレイやリヴァーブを適宜加える
この辺を基本としてみて、後は前段にコンプレッサーを加えてみたり、揺らし系の組み合わせを色々試したりしてみると良いと思います。
半止めワウ (1:04〜)
ワウペダルをワウワウさせる為に使うのではなく、周波数が可変することを利用してイコライザーのように使う手法、通称鼻つまみサウンド。
ペダルはあまり派手に動かさず、好みの位置で固定してしまうか、真中付近で細かく動かすように使います。
半止めワウのオリジナルはマイケル・シェンカーだと筆者は認識しております。
MICHAEL SCHENKER [ INTO THE ARENA ] [III] LIVE 1981.
この鼻つまみサウンドはギターの泣きを表現するには大変有効で、この手法を応用するギタリストは多いです。
松本孝弘 / DVD & Blu-ray「Tak Matsumoto LIVE 2014 -New Horizon-」DIGEST
こちらの1:33〜聴けるGo Furtherもその一つ。
B'zの松本氏もニュアンス重視の素晴らしいギタリストです(^^)
GALNERYUS - Everlasting[OFFICIAL MUSIC VIDEO]
邦メタル界で泣きのギターと言えば知らない人はいないでしょう。
GalneryusのSyu氏もその一人。
絶対音感による安定のピッチ感も圧巻で、半止めワウも頻繁に使っています。
※何もバッキングにまで使わなくてもとは思うのですが(笑)
ニュアンス勝負のサビ (1:42〜)
サビはオープニングとはまた違って、明るく突き抜けるような印象。
スライドやチョーキングを駆使してタメを作りながら弾くのは同じなのですが、なかなかご本人の弾く印象まで表現するのは難しかったです(-_-;)
動画完成後にご本人の見本動画と見比べてみると、スライドやチョーキングの箇所に違いがあったりしましたね。
この辺まできっちりコピー出来たとして、果たして同じような表現が出来るかと言えばそれもまた微妙なところです^^;
この手のニュアンスや表現力というのは歌唱力にも近いものがあって、技術的な面の体得も大事ですが、人生経験等の感情的な面も影響します。
その辺諸々、日々精進ということなのでしょうか。
エンディング
最後のリードフレーズは本来ありませんが、原曲の2番に当たる部分で使われているメロディをどうしても弾きたかったので、無理矢理突っ込みました(笑)
最後の方に速弾きで駆け上がるフレーズがあるのですが、そこだけアレンジを加えています。
※先に挙げたGalneryusのSyu氏がよくやる6本弦スウィープですねw
最後に
2019年も大変多くの演奏動画を投稿させて頂きました。
投稿数等の振り返りは年明けに抱負も兼ねて寄稿する予定ですが、この演奏動画が年内最後になるかと思います。
この記事を書いている傍らで、早くも応募したツイートに反応頂けているのも大変嬉しい限りです(^^)
来年も多くの楽曲を演奏動画として投稿し、解説記事に出来たらと思います。