はじめに
当ブログでも何度か取り上げさせて頂いているRAISE A SUILEN (以下RASと略)。
前身のTHE THIRD (仮)から注目しており、バンドリプロジェクトのバックバンドとして始まり、その実力の高さは特筆すべきものがあります。
その後、オリジナル楽曲に加え正式メンバーを揃えRASとして始動。
2019年2月には2ndシングルも発売されており、更にはメンバーとリンクするアニメキャラもついて劇中に登場する等、バンドリプロジェクトの中にしっかりと浸透してきています。
いつもでしたら公式のバンドスコアが出てから仕込み、演奏動画として挙げるのですが、去る2月のBanG Dream! 7th☆Liveがあまりに素晴らしかった為、今回はフライングで耳コピしたもので演奏解説したいと思います。
※オフィシャルバンドスコアが出たらリライトするかもしれません^^;
奏法のポイント
- チューニング
- リフで語れるか
- 1番と2番の比較
- 間奏(?)のブレイクダウン
- Gtソロ
※右利き用ギターを想定した解説です
チューニング
主にポピパはレギュラーチューニングで、Roseliaは6弦のみ1音下げ(ドロップD)がメインです。
RASの場合、少なくともこの楽曲は最低音がC♯です。
ライヴも観ましたが、竿隊(=ギターやベース)の二人は6弦ギターに4弦ベースと多弦はこの曲では使っていなかったので、ダウンチューニングで対応しているものと思われます。
最低音をC♯にするには?
さて、このチューニングにするには2パターン考えられます。
一つは素直に全ての弦を1音半下げる方法。
6弦から順に、
C♯→F♯→B→E→G♯→C♯
となります。
もう一つはRoseliaのドロップDを応用した、全弦半音下げ+6弦のみ更に1音下げ。
通称ドロップC♯です。
6弦から順に、
C♯→G♯→C♯→F♯→A♯→D♯
となります。
後述しますが、ブレイクダウンのフレーズから察するに、こちらを採用している可能性が高いです。
※上の動画もこのチューニングです
ダウンチューニングの注意点
最も注意したいのは弦が緩まることによるテンション(張力)の差。
1音半も下げると弦はかなり緩くなり、同じ力でピッキングすると音が上ずってしまったり、異常に低音が膨らんだ大音量が出てしまうことも。
対策としてはレギュラーチューニング時より太い弦を張ることですが、アマチュアレベルでは弾く楽曲に合わせていちいち弦を張り替えるかたはあまりいないでしょう。
また、リハやライヴに何本ものギターをチューニング別に持っていく方も稀でしょう(^^;
自宅でもダウンチューニング専用ギターを用意しても、あまり使わない為に結局元に戻してみたり(笑)
ピッチシフトを使う
オススメはDigitechのDropや、Kemper等マルチエフェクトを搭載した機材で音程を半音下げにピッチシフトしてしまうことです。
これならギター本体は通常のドロップDにしておけば良いので。
ピッチシフトを使わない
エフェクトの微妙なレイテンシや音痩せ感がどうしても許せないと言う場合は、ギター本体でチューニングをドロップC♯にするしかありません。
実は今回の演奏動画はこの手法でダウンチューニングしてます。
弦も10~46のレギュラーゲージ。
だいぶ緩いので、6弦のピッキングには特に神経を使いました(^^;
音が上ずり易いので、左手の押弦から右手のブリッジミュート具合、更にはピッキングの圧力の掛け方まで気を遣って弾きましょう。
※初心者にはオススメしません。最低限、太い弦を張って対応しましょう!
リフで語れるか
この曲、一応ギターソロはありますが、ポピパやRoseliaの様なメロディアスなメインリードはありません。
この手のジャンルの特徴とも言えるのでしょうか?
その代わり、これでもかと言う程にリズムを駆使したパワーコードリフが数多く出て来ます。
スタート前半は短く切りつつガッツリ (0:00〜)
スタートのリフはリズム隊とユニゾン。
特にドラムのスネアと同じくらいの音の長さを意識すると良い感じになるかと。
右手のブリッジミュートは勿論ですが、左手のミュートも駆使してブリッジミュートの余韻も調整しましょう。
※パフォーマンス優先で左腕を掲げている場合はこの限りではありません(笑)
スタート後半のハーフテンポ (0:14〜)
メインボーカルが入ってくると、ドラムパターンがハーフタイムに。
スタート前半は4分音符にアクセントを置いたのに対し、後半は1拍目と3拍目、つまり2分音符にアクセントを置くようなイメージですね。
演奏動画で少しばかり体を揺らしているのは、この様にノリを変える為です(^^;
前半と同様のブリッジミュートですが、こちらは余韻を残し気味で弾くと良い感じかと思います。
イントロはガッツリ (0:39〜)
ボーカルがシャウトしている後ろで8分音符でブリッジミュートを刻むだけ。
…ですが、ドラムは通常のビートですから、こちらも通常のブリッジミュートを掛けつつ、Aメロに向けて徐々にミュートを開いてみてはどうでしょう?
Aメロは小刻み (0:46〜)
スタート前半のパターンに近いです。
ドラムパターンを意識しながら、右手のブリッジミュートに加えて左手のミュートもうまく使いましょう。(一部はブリッジミュートなしです)
今まで弦2本弾いていたところを1本だけにして刻んでみると、ちょっと雰囲気が出ます。
※途中の音を伸ばすコードは除く
Bメロはメロディアスに (1:11〜)
ブリッジミュートとそうでない部分のメリハリがポイント。
2・4・6小節目に出てくる2拍3連符が小難しくてニクい(笑)
…とまぁ、ほぼパワーコードのリフのみなのにこれだけパターン別に弾きわけないといけないわけです。
逆にこれが出来たらもうそれだけでカッコいいと思います(^^)
1番と2番の比較 (0:46〜 / 2:15〜)
恒例の比較ですが、比較も何も全く違いますね(笑)
Aメロは1番2番でそもそもフレーズが違う。
2番の裏拍を意識したリフが意外と難しい。
ダウンピッキングで弾いてしまうと原曲の淡白な雰囲気が出ないので、オルタネイトピッキングで弾いています。
するとアクセントがアップピッキングになるので、リズムが走り易くなるのです(-_-;)
Bメロはメロディアスな1番に対して、2番はまるでメロディックスピードメタルの様なノリですね。
※途中のdkdkなとことか(笑)
実はここだけは裏メロがどうしても聞き取れず、詳細な音取りを断念した箇所でもあります。
オフィシャルスコア待ちですね(^^;
ブレイクダウン (3:38〜)
この楽曲のハイライトとも言えるセクション。
この手のジャンルには欠かせない、ライヴでも最も盛り上がるところです。
ブレイクダウンと言っても様々なパターンがありますが、今回はリズムを駆使したユニゾンに寄るもの。
2拍に3つの音
このブレイクダウンのポイント。
2拍に詰め込む3つの音のタイミングが変化することで、このカッコ良いブレイクダウンは成立します。
楽譜に表すとこうなるかと思います。
ここは外したくないところ。
※とか言いつつ、採譜ミスに気付いて訂正しました(^^;
バンド全体でヘドバン等、パフォーマンスを揃えてブチ上げたいですね(^^)
チューニングの項目で言及しましたが、三連符最後の音が運指の関係で4弦の開放弦を使っていると思われます。
これがドロップC♯のチューニングであると結論づけた根拠でもあります。
ギターソロ (4:23〜)
この手のジャンルではギターソロが無いことも珍しくはないですが、バンドリ楽曲らしく、メロディアスなギターソロが奏でられています。
メロディラインはピアノ旋律と同じですが、ギターらしさを出す為にスライドを駆使しているようです。
最後のチョーキングは半音チョーキングなので、音程に注意しましょう。
私は少し大袈裟にやってしまいましたが、チョーキング後の音を伸ばす過程で微妙に音程を動かしているのもポイントかと思います。
※いわゆるロングトーンのヴィヴラート掛けっ放しではない
最後に
今回はかなり細かいニュアンスについて言及してみました。
一般的にイメージされるテクニカル系とは違い、速弾きとか異様に速いコードチェンジをこなすといった難しさはこの楽曲にはほとんどありません。
しかしながら、休符を含む音符の長さやニュアンス等、なかなか言葉や文字では表現しにくいところにこの楽曲の難しさとカッコ良さがあるのだと思います。
BanG Dream! 7th☆LiveでRASの演奏を現地で観ましたが、演奏もパフォーマンスもかなりハイレベルでした。
そんな感動と興奮を今回の演奏動画や記事にぶつけてますので、これからコピーされるギタリストの参考になれば幸いです(^^)
これ程の長文を読んで下さってありがとう御座います!
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参考音源