週末のバンドマン

楽曲の考察から奏法解説、使用機材やらを記録していきます。主にギター。アニソン系メタル系多め。

LOCK(朝日六花)が弾くR・I・O・T (RAISE A SUILEN)を再現してみた【BanG Dream! 3rd Season #2&3】

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※公式より引用

anime.bang-dream.com

はじめに

この記事を寄稿時、アニメBanG Dream! 3rd Seasonが放映中です。

 

去る一年前にもアニメの劇中で披露されたギターソロの演奏動画&奏法解説記事を書きました。


LOCK (朝日六花) ギターソロ 【ギターを弾きます!】

アニメ2期で天才モカちゃんが「変態だ」と言わしめたLOCKこと朝日六花ちゃんですが、3期でも2話&3話にしてブチかましてくれています。

詳しくはネタバレになるので避けますが、2期に続き女子高生のセンスとはとても思えない…ギターヒーローばりの演奏が、今回の題材になります。

 

 

原曲はR・I・O・T (RAISE A SUILEN)

RAISE A SUILEN(以下、RAS)の前身であるTHE THIRD(仮)。

この時代からある初オリジナル楽曲がR・I・O・Tです。


【試聴動画】RAISE A SUILEN 1st Single「R・I・O・T」(12/12発売!!)

今回の題材としてはこの楽曲のハードロックアレンジというところでしょうか。

 

詳しく経緯を説明するとコレまたネタバレになるので…

とにかく、まだアニメを観ていない方は是非ご覧になってから仕込みに臨みましょう(^^)

 

(後日追記)Tab譜付のギター演奏動画しました!

2020年初頭に動画を投稿した時からSNSのコメント等でTab譜が欲しいと言う希望を頂いておりましたが、手間暇を考えてお断りしておりました。

それから1年半程経過して、Tab譜面に起こす労力の対価を回収する算段が付きましたので、時間は経ってしまいましたがTab譜付動画として公開することにしました。

 

基本的に今後、動画に全てのTab譜を載せる予定はありませんが、今回は

  • 1曲未満の分量であること
  • 後述の販売手段では国内のみで、海外ユーザーの需要には応えられないこと

を理由に、今回は特別にYouTubeにも動画投稿する形式を選択しています

 

Tab譜を販売中です

労力の対価を回収する算段とは基本的にはこちらのことです。

Piascoreというサイトで販売中です。

 

奏法のポイント

  1. チョーキングから入るタッピング付レガート下降
  2. Aメロ前半のハードロックなリフ
  3. Aメロ最後のアドリブ風(?)ペンタトニック
  4. ソロ前半のタッピングを絡めた上下移動
  5. ソロ後半のレガート駆け上がり

※チューニングはドロップD(6弦のみ1音下げ)


R・I・O・T 〜featuring LOCK【アニメBanG Dream! 3rd Season 3話より】

 

チョーキングから入るタッピング付レガート下降 (0:27〜)

ここに限らず、おそらく手癖全開のアドリブフレーズなんでしょうね^^;

 

入りのチョーキングがとても重要

直後の速弾きが目立ちがちですが、実はこの入りのチョーキングがバッチリキマるかどうかでその後のイメージが変わります。

ここのチョーキングが勢い良く且つ余裕のある感じでキマると、その後の速弾きに多少ミスがあっても、勢いで誤魔化せるんです(笑)

 

チョーキングのパターンは1つではありません。

この場合は勢い良く目的の1音上までベンドした後、ゆっくりめに戻すのがポイントでしょうか。

上げ方に変なタメがあったり、音が上がりきっていなかったりするとモタついたイメージになり、その後のフレーズ入りに焦った印象を与えます。

ここのベンドは早めに目的の1音上に到達させ、その後の戻りをゆっくりにすることで出来るだけ目的の音にいる時間を確保するのです。

 

タッピングを絡めたレガート下降

私が動画で弾いたフレーズは劇中とは少し違うかもしれませんが、概ねニュアンスはこんな感じかと。

この楽曲のスケールに沿った音並びから、各弦の1番高い音をタッピングしながらレガートで弦を下降していく感じです。

 

ただ単純にレガートのみで下降したとしてもそれほどストレッチでもありませんが、タッピングを絡めることでより派手になるということと、タッピングした音がより強調されるという特徴があります。

 

Aメロ前半のハードロックなリフ (0:48〜)

これまた現役JKが弾くフレーズとは思えない、80年代のHR/HM(ハードロック/ヘヴィメタル)を想起させるフレーズ(笑)

 

コードでもベンドする

Aメロ入り最初の2音(=ズンズン)がブリッジミュートで、その後のコードは人差し指1本(+中指の2本でも良い)で押さえるパワーコード

この手のHR/HMでは、パワーコードでもベンドしたりヴィヴラートを掛けるのが特徴的と言えます。


「鳳翼天翔」(Live DVD『絶界演舞』Official Preview)

ちょっと速くてわかり辛いですが…

メインリフの入りを少しベンドして、刻みの後の伸ばすところでコードにヴィヴラートを掛けているのがわかるでしょうか?

 

よくある教則本でベンド(チョーキング)やヴィヴラートと言えば単音フレーズ時のみのイメージになってしまいますが、今回の楽曲のように、同時2音程度のパワーコードにもベンドやヴィヴラートを混ぜ込むことで、アメリカンなハードロック風のノリを加えることが出来ます。

 

ペンタトニックのオブリに混ぜ込むピッキングハーモニクス

コードで音を伸ばす合間に入っているペンタトニックフレーズに、ピッキングハーモニクスが混じっていますね。

これもハードロック風なフレーズ&サウンドには欠かせない要素です。

 

馴れると普段からピックを深く持たなくても自由に出せるのですが…

馴れるまではピックを深めに持つしかないのかもしれませんね^^;

世代的にはこの辺がピッキングハーモニクスの練習楽曲でした。


SEX MACHINEGUNS - TEKKEN II

 

タメの効いたチョーキング

最初の奏法解説ポイントとは逆のパターンのベンド。

目的の1音上に到達させるのをギリギリまで遅らせます。

注意点としては、最後は必ず目的の音まで達すること。

私もたまにやってしまうのですが…音が上がりきらないって絶対音感でもないとやってしまいがちなんですよね^^;

 

Aメロ最後のアドリブ風(?)ペンタトニック (1:11〜)

このパターンはかなり多くのギタリストが弾いてきたマイナーペンタのアドリブフレーズではないでしょうか?

ちょうどスタートの2弦チョーキングの到達音と、その時人差し指で押さえている1弦の音が同じで、その時のその楽曲の(調)と一致します。

この1〜6弦の縦の音の並びを(チョーキング含め)覚えておくと、楽曲のマイナーキーがわかればすぐに対応出来るので、初めて弾くパターンだなというギタリストさんは是非この縦の並びを覚えておきましょう(^^)

 

ソロ前半のタッピングを絡めた上下移動 (1:33〜)

おそらくこの記事を読みにいらっしゃったギタリストさんは、ここのフレーズを弾きたいor自分で耳コピしたものとの確認の為にお読み頂いていると思います。

 

わかります。私もここが弾きたくてコピーしましたから(笑)

 

その前に大事な…入りのチョーキング

しつこくて申し訳ないですが、この入りのベンド(チョーキング)のパターンは凄く大事です。

上述のイントロ入りや、Aメロのハードロックリフに絡めるベンドのパターンともまた違うのがわかると思います。

 

まるで教科書のような一連のチョーキングパターンですが、ここは前述2種の複合パターン。

素早く目的の音(=1音上)に達しつつ、すぐに元に戻し、今度はゆっくりタメながら上げるのですね。

先の2パターンをキチッと出来るギタリストさんなら、意識すれば割と簡単に出来るハズです(^^)

 

タッピング&レガート下降

さて、奏法解説ポイント1でお話した、スケールに沿った音並びから1番高い音をタッピングするパターン。

今回はその応用と思われます。

 

上述のスケールに沿った音並びというのは、ギターに於いては一般的に1つの弦に対して3音(または2音)です。

何故なら、スケールに沿った3音(または2音)のその両脇の音を出すと、その音は上下隣の弦で該当する3音(または2音)に並ぶ音と重複するからです。

一般的には同じ弦で4音弾くより上下隣の弦に移動してしまった方が弾きやすい為、スケールを覚える際は1つの弦で3音(または2音)の並びで覚えます。

 

さてここからが応用です。

 

メトロノームに合せて実演するとこのようになります。


R・I・O・T LOCK ギターソロ【アニメBanG Dream! 3rd Season 2話より】

(手元から観て)各弦の1番高い右側の音をタップしているのはすぐに分かると思います。

※動画は正面から観るので、高い音は左側

※右利き用ギターの場合です

 

次に、1つ手前の(低い)弦に移る際に、

  1. 最初の音をタップ
  2. 同じ弦のスケールをレガートで下がる
  3. 最初のタップ音(計3音)までレガートで戻る
  4. 同じ弦のもう1つ高い音をタップ
  5. 同じ弦の残り3音をレガート下降
  6. 1つ手前の(低い)弦に移り、1~繰り返し

これを繰り返して低い弦に移動しています。

 

…文字だけですと大変分かり辛いので、後日、視覚的に観られる方法を探りますが…

それまでは、動画のスロー(BPM100)パターンで目コピしてみて下さい(^^;

※記事冒頭にTab譜付動画及びTab譜販売について追記しています

 

ソロ後半のレガート駆け上がり (1:36〜)


R・I・O・T LOCK ギターソロ【アニメBanG Dream! 3rd Season 2話より】

その名の通り、劇中でもレガートで弾いていると思われます。

弾く弦が変わる時だけピッキングするので、一見速く弾けているように聴こえますが、きちんと音を出すのが難しいです(^^;

 

特に低音弦側のレガートには筆者progreも苦労しました(-_-;)

今一度、ハンマリングやプリングの基礎に立ち返るのも良いかもしれませんね。

 

最後の〆

レガート上昇後にタッピングをキメて〆!

…そう思っていませんか?

 

このギターソロの〆はそこではありません。

  1. その後の最高音に上がる部分
  2. 最後に伸ばす音にしっかりヴィヴラートを掛ける

ここを疎かにしないようにしましょう。

特にヴィヴラートはこのソロの前半後半の繋ぎの音でもわかりますが、かなり音の幅があるヴィヴラートです。

 

それこそ教則本に載っているような、チョーキング(ベンド)して半音~1音を一定の幅で繰り返し行うようなつもりで弾くと良いと思います。

 

すぐに掛け始めるのはNG!

ヴィヴラートを掛け始めるタイミングも重要です。

その音を弾いた直後に掛け始めた場合、ヴィヴラートの幅がぐちゃぐちゃだとみっともない終わりになってしまいます(^^;

※すぐに掛け始めることそれそのものは悪いことではありません

 

劇中の原曲を参考にするなら、おおまかに4分音符1つ分くらいは伸ばしてから掛け始めると良いと思います(^^)

 

最後に

公式の原曲音源ではなく、アニメ劇中で弾いているフレーズを気に入ってコピーするというのはなかなか無いこと。

バンド(特に今回はギター)がピックアップされているBanG Dream!プロジェクトならではですね。

 

直後のRASのリアルライヴでも既に劇中に寄せたギターソロを弾いた小原莉子さん…

おそらく、劇中で弾いているのは違う人だと思われますが、それさえ意識してリアルライヴに持ってくる辺り、流石はプロギタリストと言わざるを得ません。

 

この先もBanG Dream!プロジェクト並びにRASのリアルも絡めた展開が楽しみです(^^)

 

 

 

これ程の長文を読んで下さってありがとう御座います!

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