はじめに
唐突ですが、筆者がアニソンバンド界隈に入りたいと思ったきっかけのアーティストは、水樹奈々さんとラブライブ!プロジェクト(当時はμ's)でした。
この記事を執筆した2019年6月末現在、ラブライブ!プロジェクト…ひいてはラブライバー達にとってとても重要なニュースが周知されております。
【ラブライブ!シリーズ9周年発表会】ラブライブ!フェス開催決定!!【日程】2020年1月18日(土)・19日(日)【場所】さいたまスーパーアリーナ(スタジアムモード)【出演】μ's、Aqours、Saint Snow、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 ※詳細は後日発表 #lovelive #ラブライブ9周年 pic.twitter.com/ZbHCnwRd5u
— ラブライブ!シリーズ公式 (@LoveLive_staff) 2019年5月30日
今回はこの映像にもあるμ'sの6thシングル「Music S.T.A.R.T!!」にカップリング収録されている、LOVELESS WORLDを奏法解説記事にしたいと思います。
奏法のポイント
- カスタムキャストでお遊び
- チューニング
- 16分音符の刻み
- イントロ最後の3連符
- 要所要所でハモるバッキング
- 1番と2番の違い
- ギターソロ
※音取りはオフィシャルバンドスコアを参考にしています
カスタムキャストでお遊び
奏法動画冒頭のキャラクター。
μ'sに少しでも知識のある方ならご存知の通り、南ことりちゃん(ミナリンスキー)を模したキャラクターを、カスタムキャストというアプリで作りました。
他のキャラクターはあまりうまくいかないのですが…このキャラクターは自信作です(笑)
カスタムキャストは本来、手軽にVTuber出来るというのが売りのアプリのようですね。
時代も文字から動画へ。
動画も収録から配信へと時代は刻々と変わっています。
筆者も時代に取り残されないよう、それぞれの良さをきちんと知っておきたいところです^^;
チューニング
この楽曲のチューニングはドロップC。
1〜5弦は全弦1音下げ。
6弦のみ更に1音下げて、2音下げとなります。
アイドルソングらしからぬヘヴィさですが(笑)
さすがに普通のギター弦では厳しいので、今回は10〜52のゲージを張ってこの楽曲を弾いています。
16分音符の刻み
チューニングがアイドルソングらしからぬものであるように、楽曲そのものもまさにヘヴィメタル。
それも様式美的なメロディックスピードメタルと言えるでしょう。
この手のジャンルでは必須テクニックである、ブリッジミュートを掛けながら16分音符でのオルタネイトピッキング(通称、16分刻み)。
後述のテクニカルなソロもありますが、ソロを相方に任せるバッキングギタリストでも、このテクニックは必須になります。
ピッキングのアングル
当ブログで度々言及してきたピッキングの角度(=アングル)。
基本は平行アングルではありますが、この手の速い速度で継続的に安定したピッキングを行うには、順アングルをオススメします。
これは16分の刻みが、エレキギターの音の中でも特にアタック部分を重視した奏法である為です。
逆にキレイに平行アングルでプレイすると、音のリリース(最後の方)が残ってしまい、次のアタック部分と音が重なることで、結果的にキレイに聴こえないということも起こってしまう可能性があります。
今は亡き藤岡幹大氏(BABYMETAL等)も、更に速いテンポ等ではピックを垂直に当てて弾くというインタビュー記事を読んだことがあります。
要は、使い方が重要なのだということでしょう。
イントロ最後の3連符 (1:00〜)
この楽曲で最もリズムを崩してきている箇所はここでしょう。
様式美メタルでは王道のアレンジテクニックでもあります。
音符表記としては8分3連符。
4拍1小節では12(3×4)個の音符が入るパターンです。
この楽曲は一般的な4拍子の楽曲ですから、2拍目と4拍目の頭はアップピッキングになります。
このアップピッキングを意識して下さい。
バンドアンサンブル的にもここは全パートが揃えてきますので、きっちり合わせておきたい箇所です。
本当に難しいのは、ここの2拍3連符と、その後の付点8分音符→16分裏の違いを表現しきれるかどうかなのですが、マニアックになってしまうので割愛します^^;
要所要所でハモるバッキング
様式美メタルとは諸説あります(?)が、一般的にはネオクラシカルメタルのことを指すかと思います。
この手の楽曲ではこれまた王道な3度上のハモりを要所要所で出してくるのです。
Versailles - Princess (High Quality)
※3度以外のハーモニーも多様してますが、ツインギターでハモるとはこんな感じ(^^)
基本この楽曲をコピーする際はツインリード編成のバンドでしょうが、1人で弾かなくてはならない場合は、キーボーディストに手伝ってもらうか、自分でハーモナイザーのエフェクトを掛けて対応しましょう。
1番と2番の違い (1:04〜 / 2:05〜)
聴けばわかりますが、歌メロはほぼ同じなのに楽器陣はほぼ違う演奏をしています^^;
つまり、コード進行はほぼ同じなのに、リズムやキメ、フレージング等をがらっと変えてきているということです。
全箇所を解説していたらとても長くなってしまいますので割愛しますが、この楽曲では1番が比較的シンプルに、2番に難しいキメやハーモニーが入っているパターンです。
1箇所だけわかりにくいのがサビの前。
キメが違うのがわかりますか?
これは1番と違って2番のサビ前だけに入っているピアノのフレーズを活かす為に、ギターはその部分は大人しく白玉(=音を伸ばすこと)フレーズになっているのです(^^)
ギターソロ (3:24〜)
ギターソロのみの動画もあるので、貼っておきますね(^^)
この楽曲をコピーしたいギタリストは十中八九、このソロが弾きたくてコピーするのだと思います(笑)
この手の叙情的なフレーズを上手く聴かせるコツは、とにかく「粘っこく」弾くこと。
脂っこいとか、クドいとも言います。
演歌で言えばこぶしをきかせると言った感じでしょうか?
スライドを入れる
カッコつけ過ぎかな?とか、ちょっとダサくなるかな?とか、
そんな遠慮は無用です(笑)
逆に遠慮してこじんまりした表現では聴き手には伝わりません。
ちょっとオーバーなくらいが丁度良いと思います。
ヴィヴラートは幅広く、ゆっくりめに
これも好みの差はありますが、日本人にとって叙情的と言えば演歌であり、様式美と言えばメタルギタリストではイングヴェイ・マルムスティーン氏の名を外しては語れないでしょう。
YNGWIE MALMSTEEN Live [HD] Black Star
※エレキギターの演奏は4:30頃から始まります
派手にヴィヴラートを掛けるとはこのくらいのことを言います(笑)
チョーキングの上げ方・下げ方
チョーキングはただ上げて下げるだけでなく、チョークアップ・ダウンそれぞれの音の上げ(下げ)方で表現に差をつけることが出来ます。
ちょっとわかりにくいですね^^;
この動画を例にざっくり言えば…
「少しタメてから素早く上げて、素早く下げる」パターンと、
「素早く上げて、ゆっくり下げる」パターンを使いわけています。
この「タメ」を表現する場合、ピッキング時に弾きたい弦の1〜2本低い弦をミュートしつつブラッシングの様に入れて目標の弦まで一気にピッキング→チョークアップすると、よりタメてる感が出やすいです(^^)
最後に
実は今回、この楽曲を記事にしようと思ってコピーしたわけではなく、別の楽曲をコピーしていて同じチューニング(ドロップC)で出来る楽曲を探していたら、この楽曲に至りました^^;
【ヴァンガードED】Takin' my Heart (RAISE A SUILEN) ギターfullで弾いてみた【BanG Dream!】
StrandbergがドロップCのうちに出来るアニソンってあるかなぁと思ったら…
— progre@YouTube演奏動画&奏法解説ブログ (@progre_k) 2019年6月21日
あるじゃあないか。
μ'sのLoveless World。
よし、仕込もう。
筆者にアニソンバンド界隈へのきっかけをくれたラブライブ!プロジェクト。
そして筆者の好きな音楽のルーツでもあるメタル。
どちらも兼ね備えたこの楽曲が出来たことはとても良かったと思っていますし、何となく不思議な縁の巡り合わせの様なものも感じます。
今年はμ's9周年。
またμ'sの楽曲を取り上げたいなと思います(^^)
これ程の長文を読んで下さってありがとう御座います!
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参考音源
参考スコア